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近年、企業の成長に伴い、営業部門が抱える課題は複雑化しています。

多拠点化する営業活動の連携不足、進捗管理の属人化、そして膨大な営業データのリアルタイム統合が困難であるといった課題は、組織的な成長を妨げる要因となりかねません。

本記事では、部門単位でスピーディに運用を開始できるExcelテンプレートと、その活用ノウハウをご紹介します。

本格的なSFA/CRM導入前の最適化や、部門ごとの柔軟な改善を目指すマネージャーの方にとって、実務ですぐに役立つ情報が満載です。

営業管理を適切に行うべき理由

まずは、営業管理を適切に行うべき理由について紹介します。営業管理を効率化することは、事務作業の削減に留まらず、組織全体にメリットをもたらします。

意思決定の質・スピードが高まる

適切な営業管理を行うと、必要なデータを確認したり、異常値があった際にすぐに検知したりできるようになるため、意思決定の質やスピードが高まります。

勘や憶測ではなく、データを基にして判断や評価ができるようになるため、意思決定の質が向上します。

また、営業戦略の立案や、営業活動のボトルネックの把握などの際にも、必要なデータをすぐに確認できるためスピーディな意思決定が可能になるでしょう。

案件情報が共有できる

営業管理によって誰のどの案件がどこまで進んでいるのか全体で把握でき、チーム内でフォローし合いながら成果を高められます。

たとえば、ある案件の進捗が滞っていても、属人化していると他のメンバーはなかなか把握できないため、そのまま失注する可能性もあります。

しかし営業管理ができていれば、進捗の遅れや漏れにもすぐに気づくことができ、早急なリカバリーが可能です。

また、営業活動が思うようにいかず悩んでいるメンバーがいても、案件の進み具合を見て他のメンバーがアドバイスやフォローをすることで適切な顧客アプローチができるようになり、チーム全体の営業力の底上げにつながるでしょう。

業務効率化が図れる

営業管理は、業務効率化につながることも期待できます。

たとえば、営業ミーティングを行う場合、メンバー全員にスケジュールを聞いて空いている日時を調整するのは多くの時間がかかってしまい非効率です。

しかし営業管理ができていれば、全員のスケジュールを把握できるため、すぐに日程調整ができるでしょう。また、提案資料を作成する際にも、過去の提案資料や他のメンバーが作成した資料を参考にできるため、作成時間を短縮しつつ質の高い資料を作成できます。

営業ノウハウが蓄積する

営業活動が属人化していると、営業メンバー一人ひとりの営業ノウハウも属人化してしまい、スキルに偏りが生じかねません。

一方、営業管理ができている組織は全員の営業ノウハウが蓄積できているため、成果の高い営業メンバーのノウハウを参考にして他のメンバーの営業スキルを向上できます。

また、成功パターンを基にした営業プロセスを設計でき、新人でも成果を出しやすくなるでしょう。

営業管理の基本的な方法

営業進捗管理の目的は、属人化しやすい個人のスキルや活動実態を客観的な指標に置き換え、組織全体で予測可能な状態を作ることです。

営業管理の手順は、大きく分けて「プロセスの細分化」「プロセスの数値化」「見込売上の算出」という3つのフェーズで構成されます。各ステップにおける重要事項を確認しましょう。

1:営業プロセスを細分化する

進捗管理を開始するにあたって最初に取り組むべきことは、初回アプローチから受注に至るまでの道のりを、誰が見ても明確な「フェーズ」に切り分ける作業です。

営業担当者ごとに進捗の捉え方が異なると、集計されるデータの精度が低下するため、組織内での定義を統一することが最優先事項となります。

一般的なB2B営業における分類区分は、以下のような構成が主流です。

【フェーズ1】初回アポイント取得段階:商談の機会を得た直後の状態
【フェーズ2】顧客ヒアリング段階:課題や予算、決裁ルートを確認している状態
【フェーズ3】解決策・サービス提案段階:具体的な提案書を提示し、検討を促している状態
【フェーズ4】見積提出・最終交渉段階:条件面の詰めやクロージングを行っている状態
【受注】:契約合意に至った完了状態

ここで重要なポイントは、各フェーズへの「移行条件」を定めておくことです。

「顧客に資料を送ったからフェーズ3」なのか、「役員へのプレゼンが完了したからフェーズ3」なのか、実務ベースで迷いが生じない基準を設けることがおすすめです。

組織内の認識が一致することで、初めて正確な進捗分析が可能になります。

2:各プロセスの受注率を算出する

営業工程を切り分けた後は、それぞれの段階にある案件が、最終的にどの程度の確率で成約に至るかの数値を算出します。

過去の実績データに基づき、以下のように受注確率(確度)を割り振ります。

【フェーズ1】初回アポ取得:10%
【フェーズ2】顧客ヒアリング:20%
【フェーズ3】商品・サービス提案:50%
【フェーズ4】見積提出・クロージング:80%
【受注】:100%

これらの比率は、過去数年分の成約・失注データを集計して導き出します。

全ての過去データを遡るのが困難な場合は、市場環境が近い直近1年〜3年の期間に絞って算出するのが現実的です。

実績ベースの数値化が進むと、「特定の時期だけ受注率が下がる」「担当者によってフェーズ2からの脱落が多い」といった傾向が可視化され、ボトルネックの特定と改善アクションが容易になります。

3:売上予測を算出する

最終ステップでは、現在抱えている案件の価格に、前述した受注確率を掛け合わせることで、現実的な見込売上を算出します。

例えば、商談価格100万円の案件がフェーズ3(提案段階)にある場合、計算式は以下のようになります。

100万円 × 50%(受注確率) = 5万円(見込売上)

ここで重要なのは、「個別の案件が受注できるか否か」をあえて考慮せず、統計的な期待値を採用することです。

「受注できなければ0円、できれば満額」という考え方は一見正しいようですが、多数の案件を抱える営業組織においては、確率を乗じた総額を追う方が、実際の着地金額との乖離が少なくなります。

商談件数を積み上げることで、個別案件の不確実性が相殺され、最終的な総売上額が見込売上の総額に近づいていくという統計的アプローチを取ることが、安定したマネジメントを支えるポイントです。

【目的別】営業管理Excelテンプレート

営業活動を効率化したいと考える方に向けて、すぐに使える営業管理Excelテンプレートを無料で提供しています。

本記事では、営業現場での利用シーンを想定した「目的別テンプレート」を紹介し、テンプレートの用途や活用方法を詳しく解説します。

1. 顧客管理テンプレート

まずは、顧客管理テンプレートです。Mazricaがオススメする顧客管理や営業の案件管理の方法をExcelのテンプレートとして作成しました。

テンプレート内の入力箇所(どこに何を入力すればいいのか?)を分かりやすく明記していますので、すぐに活用することができます。先述した、営業プロセスの細分化から、受注率の算出まで、このシートを活用すれば簡単に実現することが可能です。

以下のような方には特におすすめです

  • Excelで顧客管理や案件管理を行いたい方
  • 顧客管理や案件管理用のExcelシートを1から作成する時間がない方
  • Excelで顧客管理や案件管理を行なっているが、管理方法に課題を感じている方
  • 顧客管理や案件管理に必要なExcelの項目を整理したい方

2. 案件(商談)管理表テンプレート

次に、案件管理表テンプレートです。進行中の商談を可視化し、売上見込みや営業進捗を管理。営業会議用の資料としても活用でき、ボトルネックの早期発見につながります。

営業活動は個々の担当者が主体となって進行するため、見込み客との詳細なやり取りは属人化し、ブラックボックス化しやすい傾向にあります。案件ごとの受注金額や成約の見込み、進捗スケジュールなどが可視化されることで、見込み客の状況に応じた最適なアプローチが可能になります。

Excel(エクセル)で案件管理表を作成する際は、チーム内の誰が見ても現在の状況をひと目で把握できるように、以下の項目を最低限網羅しておくことが重要です。

  • 案件名
  • 顧客名
  • 担当者
  • 商談フェーズ
  • 受注確度
  • 受注予定日
  • 現在の商談件数
  • 見積金額
  • ステータス

これらの項目に沿って各案件の状況を管理・共有することで、メンバー間での状況確認に要する工数を大幅に削減できます。さらに、過去の取引経緯も容易に参照できるようになるため、組織全体の営業効率と対応力が向上します。

  •  商談の進捗が個人メモに依存している方
  •  売上予測を精度高く立てたい営業責任者

Excelで営業管理を行うメリット・デメリット

部門単位でExcelでの営業管理を導入することは、メリットとデメリットの両者が存在します。

ここでは、Excel活用の意義と、知っておくべきデメリットを客観的に解説します。

Excelを活用するメリット

まずは、Excelを活用するメリットについて紹介します。

無料で営業管理ができる

ほとんどの企業でエクセルが導入されており、無料で営業管理が可能です。

案件管理のためにツールを使用すると金額がかかるうえに1ユーザーごとに金額が発生するため、営業管理を行う社員が多くなればなるほどコストがかかります。

お金を支払っているにもかかわらず、費用対効果が悪ければ売上にも影響します。

無料テンプレートは使える機能に限りがあるものもありますが、無料でも十分に利用することができるのは大きなメリットと言えるでしょう。

自由なフォーマット

エクセルで営業管理をするメリットとして、自社に合わせて自由にカスタマイズできる点が挙げられます。

初めからある程度の機能は備わっていますが、自社に合わせて項目の追加などフォーマットをカスタマイズする事が可能です。

独自のフォーマットを作ることで、営業活動を効果的に行えるだけでなく競合他社との差別化を図ることもできます。

比較的だれでも扱える

エクセルは多くの企業で使用されているツールであり、基本的な操作を行えれば誰でも利用する事が可能です。

SFAツールなどを導入すると、組織全体の浸透にも時間がかかるうえに操作方法が難しく慣れるまでに時間がかかるため、本来の業務に集中できず効率を落としてしまうこともあります。

エクセルで案件管理を行えば、社員にかかる負担も少なく営業活動への効果が出る時間も短縮できます。

Excelを活用するデメリット

一方で、Excelの活用には、デメリットも存在します。

更新工数によるリソースの圧迫

Excelでの管理は基本的に手作業による入力に依存するため、顧客数や情報量が増加するほど更新の手間が膨大になります。

営業戦略の鍵となる顧客情報は、社名の変更や状況の変化に合わせて常に最新の状態を保たなければなりませんが、情報の鮮度を維持しようとするほど入力作業に追われることになります。

その結果、本来注力すべき商談や顧客対応といったコア業務に集中できず、最終的な売上の悪化を招くリスクが生じます。

二重管理の発生

Excelには、入力した内容を他のシステムへ自動的に同期・反映させる機能が備わっていません。

すでに別のツールでデータを管理している場合、Excelにも同じ情報を手動で転記しなければならず、二重管理が発生する可能性があります。

他ツールとのスムーズな連携が困難な環境は、現場社員のストレスを増大させ、組織全体のパフォーマンス低下を引き起こす要因となります。

高度な分析に要する手間と専門スキル

Excelでは、データの蓄積だけでなく分析もすべて自力で行う必要があります。

例えば、業界別の受注率をグラフ化しようとするだけでも、関数の設定、データの整理、集計、グラフ作成といった一連の工程に多大な時間を要します。

また、十分なExcelスキルがなければ何をどう分析すべきかという検討段階から停滞してしまい、分析そのものが目的化してしまいます。

意思決定のための分析に時間を取られ、実行に移すのが遅れる点は、ビジネスにおいて大きな損失となり得ます。

▶︎▶︎営業成果を上げるために「脱エクセル」をすべきタイミングとは?

テンプレートの使い方とコツ

ここでは、テンプレートを最大限に活用し、チーム全体の営業活動にしっかり定着させるための3つのステップをご紹介します。

1.基本情報の入力を丁寧に行う

最初に行うべきは、顧客情報や商談履歴などの基本情報を正確かつ統一的に入力することです。

とくに「顧客管理台帳」のようなシートでは、会社名や担当者の名前、部署名、役職、電話番号、メールアドレスなどを正式名称でそろえて記入することがポイントです。

表記のブレを防ぐことで、検索性が格段に上がり、情報共有もスムーズに進みます。

さらに、「商談履歴」には訪問日や会話の要点を簡潔に記録しておくと、過去の流れを誰でもすぐに把握できるようになります。

最終コンタクト日を記載しておくことで、フォロー漏れの防止や、放置案件の早期発見にもつながるでしょう。

2.関数で自動化・可視化を加速する

Excelに少し慣れてきたら、関数を取り入れてテンプレートの効率性を一段階アップさせましょう。

たとえば VLOOKUP関数を使えば、案件管理シートに顧客名を入力するだけで、顧客台帳に登録されている電話番号やメールアドレスなどの情報を自動で呼び出すことが可能になります。

これにより、転記ミスのリスクを減らし、作業のスピードと正確性が大幅に向上します。

また、COUNTIF関数を活用すれば、営業担当者ごとの案件数や、商談フェーズごとの案件割合を手間なく集計できます。チーム全体の進捗を可視化できるため、マネジメントにも有効です。

3.運用ルールを明確にする

テンプレートを導入したものの、「結局、誰も使っていない」という状態では意味がありません。

そこで必要になるのが、Excel管理を続けられる運用として定着させるためのルール作りです。

まずは、ファイル名・保存場所・更新のタイミングをチームで統一しましょう。

例:「営業管理_2024年8月版.xlsx」のように規則性をもたせ、最新版が一目で分かるようにしておくことが重要です。

また、共有ドライブなど誰でもアクセスできる場所に保存し、週1回や月1回の更新日をあらかじめ決めておくことで、「入力する習慣」が自然と生まれます。

次に、入力項目はあえてシンプルに保つことも成功のカギです。
あれもこれも記録しようとすると面倒になり、途中で使われなくなってしまいます。最初は「会社名・担当者・商談履歴・日付」といった最小限の項目からスタートし、必要に応じて少しずつ拡張していくのが現実的です。

そして何より大切なのは、マネージャー自身が積極的にテンプレートを活用し、そこに記録された内容に基づいてフィードバックを行うことです。

たとえば定例ミーティングで、「今月はAフェーズの商談が増えているね」「山田さんの案件、受注確度が高そうだね」など、記録されたデータをもとに会話をすることで、メンバーにとって記録する意味が明確になります。

Excelでの営業管理に限界を感じたら

Excelは営業管理の入り口として非常に優れたツールです。柔軟性があり、テンプレートさえあればすぐに運用を始めることができます。

しかし、チームの規模が大きくなり、扱う情報量が増え、よりリアルタイムな情報共有や自動化が求められるようになると、徐々にその限界が見えてくることも事実です。

たとえば、Excelでは入力した情報の更新を関係者にリアルタイムで共有することが難しく、社内でファイルが乱立したり、バージョン管理に混乱をきたしたりする場面が増えていきます。

また、アラート機能やリマインド通知などの仕組みが標準では備わっていないため、重要な案件のフォロー漏れが起きやすくなるのも悩みどころです。

関連記事:Excelでは限界!営業管理・データ管理を効率化する4つの方法

こうした課題を感じ始めたときに、選択肢として浮かんでくるのが SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム) です。

これらのツールは、営業活動や顧客情報を一元的に管理し、情報の連携や分析、自動化までをサポートします。以下のように、Excelとの機能面での比較を見てみると、それぞれの特徴がより明確になるでしょう。

関連記事:

機能 Excel SFA/CRM
リアルタイム性
データ連携
自動化(リマインド等) ×
外部ツール連携
セキュリティ

この比較からもわかるように、SFAやCRMは情報の即時共有やワークフローの自動化において特に力を発揮します。

また、クラウドベースのシステムであれば、セキュリティ面も強固に設計されており、外出先からスマートフォンでアクセスすることも可能です。

特にSFA/CRMの導入を検討すべきタイミングは、いくつかの兆しによって見えてきます。

たとえば、営業メンバーの人数が5人を超えたあたりから、Excelでの情報共有に限界を感じ始めるケースが少なくありません。

また、顧客とのメールのやり取りや提案書の履歴など、Excelには収まりきらない情報も一元管理したいと思い始めたとき、ツールの移行を考える良い機会といえます。

さらに、移動の多い営業職の場合、スマートフォンでの入力や報告が必要になった段階も、SFA/CRMの導入を検討するきっかけになります。

弊社が提供するMazrica Salesは、誰でも使えて誰でも成果を出せることをコンセプトにして設計されたSFA/CRMです。初めてのSFA/CRMの導入に非常におすすめなので、気になった方はぜひ以下の資料をダウンロードしてみてください。

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