営業活動は「個人」のスキルや経験に依存するケースも多いですが、組織として安定した成果を出し続けるには“強い営業組織”を構築することが欠かせません。

では、強い営業組織とはどのような特徴を持ち、どのようにして作ることができるのでしょうか?

本記事では、営業マネージャーや経営層の方々に向けて、強い営業組織に共通する特徴と、組織力を高めるための具体的な実践方法を詳しく解説します。

営業の生産性を高めたい方、成果の再現性を高めたい方にとって、すぐに活用できるヒントが詰まっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

強い営業組織の特徴

成果を出し続ける強い営業組織には、いくつかの共通点があります。ここでは、営業組織を仕組みとして機能させ、安定的に成果を出すために欠かせない3つの特徴を紹介します。

営業プロセスが明確

強い営業組織では、営業プロセスが明確化されており、誰が担当しても同じ流れで商談が進む状態が構築されています。

営業プロセスとは、リードの獲得からクロージング、そして契約後のフォローまで、一連の営業活動を段階ごとに分けて可視化したものです。

プロセスが明確であれば、各フェーズにおける課題を特定しやすくなり、改善のスピードも上がります。
また、新人営業担当の育成にも役立つため、組織全体の底上げにもつながります。

例えば「リード獲得 → ヒアリング → 提案 → クロージング」というプロセスが全メンバーに共有されていれば、進捗管理や指導もスムーズです。

関連記事:営業プロセスとは?見える化の効果と営業力強化のポイント

戦略・戦術の実行が確実

戦略や戦術を立てるだけでは意味がありません。強い営業組織では、策定した戦略・戦術をメンバーが的確に実行できる仕組みが整っています。

ここで重要なのが、「戦略」と「戦術」の違いを理解した上で、役割分担や実行計画が具体的に落とし込まれていることです。

  • 営業戦略:どの市場にどのような価値を提供するかという全体的な方針
  • 営業戦術:営業戦略を実現するための具体的な施策(例:テレアポ、ウェビナー、ナーチャリングなど)

関連記事:営業戦略の立て方の6ステップとフレームワークを解説!

営業活動に再現性がある

属人化を防ぎ、誰が実行しても一定の成果が出せる「再現性」のある営業活動も、強い営業組織の特徴です。

営業活動が再現可能な状態とは、トップセールスのノウハウが言語化・共有され、組織全体で活用できる状態を指します。
こうした環境では、メンバー個々の経験に依存することなく、組織としての生産性が向上します。

例えば、成果を出している営業担当のトークスクリプトや提案資料をテンプレート化し、チーム全員に展開することで、経験値に関係なく成果が出やすくなります。

関連記事:営業の属人化はなぜ起こる?原因と7つの解消方法を解説

強い営業組織の作り方

強い営業組織を作るためには、場当たり的な対処ではなく、組織全体を見据えた計画的な取り組みが求められます。

ここでは、営業組織を構築・強化するうえで重要な7つの実践ステップを解説します。

1.営業課題の特定

最初のステップは、営業組織が抱える課題を正確に把握することです。営業成果が思うように出ない背景には、「プロセスが不明確」「KPIが曖昧」「進捗管理が属人的」といった問題が潜んでいる場合があります。

課題を特定するには、以下のような視点で現状分析を行うと良いでしょう。

  • どの営業フェーズで成果が停滞しているのか
  • チーム全体で共通認識がある営業プロセスになっているのか
  • 実行や進捗管理が個人任せになっていないか

例えば、「商談の成約率が低い」という課題がある場合、そもそも提案内容に一貫性がない可能性が考えられます。そのような場合には、提案資料の統一やトークの標準化が必要です。

2.営業プロセスの明確化

営業プロセスの明確化は、営業活動の属人化を防ぎ、再現性のある成果創出の土台となります。

営業プロセスの明確化とは、見込み顧客との初回接触から契約締結、さらにはアフターフォローまでを一連のフェーズに分解し、それぞれのフェーズでやるべきことを可視化することです。

一例として、以下のようなステップで整理します。

  • リード獲得(例:ウェビナー、問い合わせフォーム)
  • アプローチ(コール、メール、アンケートなどによる接触)
  • ヒアリング(ニーズ把握、課題抽出)
  • 提案(最適なソリューション提示)
  • クロージング(条件調整、契約)

このように営業活動を構造化することで、成果が出ない場合のボトルネックが見えやすくなり、改善に向けたアクションも取りやすくなります。

3.KGI・KPIの設定

目標設定は、営業活動を戦略的に進めるうえで不可欠です。
KGI(最終的なゴール)とKPI(中間目標)を適切に設定し、組織全体で共有することで、日々の行動に明確な指針が生まれます。

  • KGI:売上、契約数などの最終的な成果指標
  • KPI:商談件数、訪問数、提案数など、KGI達成に向けた中間指標

例えば「月間売上1,000万円(KGI)」を目指すなら、「週20件の商談(KPI)」といった具体的な行動目標が設定されます。

これにより、進捗の早期把握や改善行動の検討がしやすくなり、また進捗の可視化もできるためメンバーのモチベーション管理にも有効です。

関連記事:営業KPIとは?成果に直結する設定方法・指標例を営業スタイル別に解説

4.リアルタイムでの進捗管理

強い営業組織では、日々の営業活動の進捗をリアルタイムで把握できる仕組みが整っています。

リアルタイムで進捗を管理することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 問題の早期発見:商談が停滞している案件をすぐに把握できる
  • 適切なリソース配分:フォローすべき案件や顧客を的確に判断できる
  • 組織全体の透明性向上:マネージャーだけでなくチーム全体が状況を把握しやすくなる
  • 目標とのギャップを可視化:計画との差異を明確にし、対策を素早く立てられる

SFA(営業支援システム)などのツールを活用すれば、営業活動をリアルタイムで記録・分析し、チーム全体での共有も容易になります。

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5.ナレッジ共有の徹底

営業ノウハウの属人化は、組織全体の成長を妨げる大きな要因です。
そのため、成功事例や顧客情報をチーム全体で共有し、ナレッジとして蓄積・活用する体制を整えることが重要です。

具体的には以下のような取り組みが有効です。

  • 顧客とのやり取りや提案資料をSFAに登録・共有
  • 週次の営業ミーティングで成功事例を共有
  • トークスクリプトやFAQをドキュメント化

こうした仕組みによって、新人メンバーの早期立ち上がりが可能になり、組織全体で成果を出せる土台が整います。

6.部署間連携を強化する

営業活動の強化は、営業組織単体では実施できる範囲やリソースにも限界があるため、マーケティング部門やカスタマーサクセス部門など、他部署との連携も欠かせません。

部門間で顧客情報や活動状況をスムーズに共有し合うことで、一例として以下のようなメリットが生まれます。

  • マーケティング部門から提供されたコンテンツの閲覧履歴をもとに、関心テーマを推測
  • カスタマーサクセス部門から提供された「サポート履歴」や「アンケート回答」を参考に、次回提案・フォローを実施
  • 営業とマーケが連携してセミナーを共催することで、リード獲得からクロージングまでの動線が一本化され、顧客の混乱を防止

このように、情報と目的を部門を越えて共有し合う体制があることで、顧客対応の質が高まり、結果的に商談の成功率や顧客満足度の向上につながります。

7.ITツールの導入

強い営業組織の多くは、SFAやCRM、MAなどのITツールを効果的に活用しています。
営業活動をデジタルで記録・可視化し、分析・改善に活かすことで、属人化の解消や業務効率化が実現します。

  • SFA(Sales Force Automation):営業活動を可視化・効率化するツール
  • CRM(Customer Relationship Management):顧客との関係性を一元管理するツール
  • MA(Marketing Automation):見込み顧客の育成を自動化するツール

これらのツールは単体でも効果的ですが、連携させて活用することで、営業からマーケティングまでのプロセス全体を最適化できます。

関連記事

強い営業組織を作るためにおすすめのツール

ここからは、前章でご紹介した「ITツールの導入」をさらに掘り下げ、強い営業組織の構築に役立つ具体的なツールをご紹介します。

SFA/CRM

SFAやCRMは、営業活動や顧客情報の一元管理を通じて、組織の営業力を最大化する基盤となります。

SFA/CRMを導入するメリットは以下の通りです。

  • 商談状況や顧客情報をリアルタイムで把握できる
  • 営業プロセスの改善点をデータに基づいて特定できる
  • ナレッジ共有がしやすくなり、属人化を防げる

またこういったツールの活用には、UIが直感的で使いやすいことが重要です。
営業担当者に負担をかけず、自然な形で入力・管理ができる環境を用意することで、現場の定着率も高くなり、改善活動に繋げやすくなります。

関連記事:【2026年最新】SFA(営業支援)ツールおすすめ比較10選|CRM・MAとの違いも解説

MA

MAツールは、見込み顧客の育成(リードナーチャリング)を自動化し、営業との連携をスムーズにする役割を担います。

上手く活用することで、以下のような営業/マーケティング活動が実現できます。

  • スコアリングにより、商談化しやすいリードを抽出
  • メール配信やコンテンツ提供で、顧客理解を促進
  • 顧客の関心度合いに応じて営業タイミングを最適化

またMAツールは、SFAやCRMとシームレスに連携することで、マーケティングと営業の連携が強化され、組織全体での成果最大化が期待できます。

まとめ

強い営業組織を作るには、「属人化の排除」「プロセスの標準化」「ITツールによる仕組み化」といった観点が欠かせません。
現場任せではなく、再現性と一貫性を持った営業体制を構築することが、安定した成果を生む鍵となります。

本記事でご紹介した7つのステップやツール活用のポイントを踏まえ、自社に合った改善策から着手してみてください。

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投稿者プロフィール

山本和希
山本和希

営業代行企業でIS・FS支援事業に携わった後、スタートアップ企業でインサイドセールス・マーケティングチームの立ち上げを経験。リテール系商材からIT・SaaS商材まで、幅広い領域の営業実績を持つ。その経験から、マス向けのマーケティング観点と現場での営業観点を掛け合わせた戦略立案を得意としている。

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