営業実績を最大化させるためには、営業の情報管理が不可欠ですが、まず直面するのは「具体的に何を管理すべきか」という問いです
管理すべき対象を定義し、ExcelやSFA(営業支援システム)といった適切なツールで運用することで、営業活動の精度は飛躍的に向上します。
本記事では、営業戦略の基盤となる「管理すべき情報」を整理したうえで、ExcelとSFAそれぞれを用いた具体的な管理手法を解説します。
それぞれのツールの利点と欠点についても深く掘り下げますので、自社の組織規模や課題に最適な管理方法を見つけるためのガイドとしてご活用ください。
この記事の内容
SFAやExcelで管理すべき営業データ
次は営業管理を行うために必要なデータについて解説します。
営業活動に関するデータにはさまざまな種類があり、その量は膨大です。
そのため、すべてのデータを使うわけではありません。
業界や営業スタイル(BtoB、BtoCなど)によって違いがありますが、BtoBで一般的に必要となるのは以下ようなデータです。
1. 顧客・取引先情報
顧客管理の根幹を成すのは、企業名や担当者名といった基本データに加え、過去の商談履歴や製品の購入実績といった一連の営業プロセスの情報です。
取引先が増加するにつれて情報の記憶や個人での管理には限界が訪れます。 管理が形骸化すると、最適なタイミングでの提案機会を逸したり、担当者変更時の引き継ぎミスによって顧客との信頼関係を損なったりするリスクが高まります。
ExcelやSFAを活用してこれらの情報を一元化することで、組織として一貫性のある対応が可能になります。
関連記事:取引先管理の4つの方法!目的の整理と方法選定のポイント
2.予算・実績情報
予算・実績情報とは、売上高や受注金額、利益率など、特定の期間内に達成すべき目標値と、その現在地を正確に把握するための情報です。
数値目標は組織、部署、そして個人へと適切に割り振られ、進捗は常に定量的に判断される必要があります。
期中での達成度を可視化することで、早期にボトルネックを発見して的確な指導を行えるほか、順調な場合にはポジティブなフィードバックを通じて担当者のモチベーションを維持するなど、マネジメントの質を高めるための重要な指標となります。
3. 案件進捗情報
案件進捗情報とは、アポイントの獲得から成約に至るまでの進捗状況を、把握するための情報です。
訪問回数、現在の検討フェーズ、受注確度、そして見込み金額といった指標を管理することは、営業目標の達成に直結します。
これらを定量的に管理することで、リソースを投入すべき案件なのか、あるいは現時点では優先度の低い案件なのかを正確に判断できます。確度の高い案件を確実に成約へ導くための優先順位付けを正確に行うことが重要です。
関連記事:営業における案件とは?案件管理のメリットと管理方法も紹介
4. 行動・活動記録情報
成約に至るまでの過程で、担当者が具体的にどのようなアクションを起こしたかという記録です。
新規開拓であればコール件数や訪問数、既存顧客のフォローであれば訪問サイクルや商談時間、そして提案に対する顧客の生の声がこれに該当します。
行動情報を可視化することで、過剰な訪問や商談の長期化といった個人の課題に上司が早期に気づき、軌道修正のアドバイスを送れるようになります。
また、成果を出している担当者の動きを成功パターンとして共有すれば、組織全体の営業スキルを底上げする貴重なナレッジとなります。
関連記事:営業における行動管理とは?成果を出すPDCAの回し方と管理方法を徹底解説
Excelによる営業管理の方法
次に、Excelで営業管理を行う方法を解説します。
Excelを利用する場合には、前提として、メンバー全員が見れると記入できることが必要です。
設定で、校閲>ブックの共有をするのでもいいですが、複数人で同時に使用するとファイルが壊れやすいため、クラウド上で使えるスプレッドシートが便利です。
Excelを使った営業プロセス管理
それでは、具体的なやり方を解説します。見える化したい、管理したい項目を決めて、それぞれでシートを作成すればOKです。
以下に、取引先管理、コンタクト管理、案件(商談)管理、行動(アクション)管理の4つのシートのサンプルを載せておきますので、参考にしながら作ってみてください。
・顧客・取引先情報:

顧客の企業情報や担当者情報を管理します。
(記入項目:企業名、業界、社員数、会社HPなど)
・案件進捗情報:

案件が顕在した段階から記入し、進捗状況を管理します。
(記入項目:案件名、企業名、商品、チャネル、フェーズ、課題など)
関連記事:エクセル案件管理・進捗管理のポイント|営業管理のトレンドとは
・行動・活動記録情報:

アポやクロージングなど営業活動と数値データを記載します。
(記入項目:案件名、フェーズ、行動の内容・担当者・日付・施策、実施結果など)
▶︎▶︎営業プロセスにおいてExcel管理で対応できる/できない範囲を知りたい方はこちら
SFAによる営業管理の方法
SFA(Sales Force Automation:営業支援ツール)は、営業活動に関する情報をデータ化し、蓄積・分析することで、営業活動の効率化や売上向上を目的につくられたツールです。
自分でテンプレートを作成したり、データを集計・分析する必要はなく、簡単に導入することができます。
関連記事:SFAとは?CRMとの違いは?|どこよりもわかりやすく解説
SFAを使った営業プロセス管理
Excelと同様に、各項目ごとにどんな管理をしていくのか、見ていきましょう。
※ここでは弊社が提供する「Mazrica Sales」を例にとって説明します。
・取引先管理:

取引先企業や取引先の担当者に関する情報を一元管理することができます。
2024年4月時点でMazrica Salesには70万社以上の企業情報が登録されており、取引先情報登録の際に企業名を入力するだけで、住所・電話番号・企業規模などの基本情報からプレスリリース、財務情報までを自動で取得できます。
企業データベースに登録されていない取引先の場合は情報入力が必要ですが、約1分程度で取引先の登録ができます。
なお、取引先の情報はコンタクト管理や案件管理に紐づけることが可能です。
※企業データベースはMazrica Sales特有の機能です
・コンタクト管理:

取引先に直接コンタクトを登録することが可能です。
他方、アクションコンタクト機能により、営業活動のアクションにおいて、接触した人情報をアクションの実施結果欄にて登録することもできます。
アクションに紐付けて登録することにより、自動的に取引先にも紐付いたコンタクトとなります。
・案件(商談)管理:

案件(商談)を登録すると、ダッシュボードで一覧表示されます。案件の基本情報(案件名、提案する商品、チャネルなど)、案件がどのフェーズなのかを、瞬時に把握することができます。
※SFAによって表示形式は異なります
案件管理には、取引先、コンタクト、行動のすべての情報が紐づき、案件をクリックして選択すると、詳細ページに行動履歴が出てくる仕組みになっています。
・行動(アクション)管理:

行動履歴(情報)は案件管理に紐づいているため、案件に対して誰が・いつ・どのような行動をしたかを簡単に確認できます。
また、コメント機能でその行動に対してのコミュニケーションを取ることもできます。 提案資料の確認や事前準備などに関してコメントすることで、外出が多い営業組織でもスムーズに情報共有をすることが可能です。
・レポート機能:
売上の持続的な成長のために、データに基づいた営業のボトルネックを把握することが重要です。この際に活用するのが、営業の各フェーズ間の移行率のデータです。
Mazrica Salesでは以下のようなレポーティングが可能です。
営業プロセスのどのフェーズで案件が落ちてしまっているのかがわかります。なぜそのフェーズで落ちているのかを分析し対策を立てましょう。
また担当者毎にも以下のようにレポーティングすることができます。

各担当者毎の得意・苦手を把握することで、より適切なフォローアップができるようになります。
例えばクロージングが苦手な営業担当にはマネージャーが同行することでクロージングの精度を高めます。あるいは関係構築が得意な営業には初回商談を積極的に依頼するなどです。
関連記事:【2025年最新】SFA(営業支援)ツールおすすめ比較10選|CRM・MAとの違いも解説
SFAとExcelでの営業管理のメリット・デメリット
営業管理ツールを選定する際は、コスト、機能性、運用性の3つの観点から総合的に判断するひつようがあります。
SFAとExcelそれぞれの特徴を正確に理解し、自社の営業規模や業務特性に最適な選択を行うことが重要です。
Excelによる営業管理
まずは、Excelによる営業管理のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
Excelによる管理の最大の利点は、導入コストの低さにあります。
すでにOfficeライセンスを保有していれば追加投資は不要で、月額利用料も発生しないため、非常に経済的です。
また、自由自在なカスタマイズ性も強みです。独自の営業プロセスや業界特有の管理項目に合わせたテンプレートを柔軟に作成でき、関数を駆使すれば複雑な計算や独自分析も専門知識なしで実装できます。
使い慣れた操作感から現場の抵抗が少なく、スムーズに導入できる点や、ピボットテーブル等で手軽にデータ分析ができる点も魅力です。
デメリット
一方で、入力負荷とデータの限界が課題となります。手入力に依存するため更新工数が増大し、業務効率を低下させる恐れがあります。
また、データ量が増えるほどファイルが重くなり、動作遅延や視認性の悪化を招きます。数万件規模のデータになると実用性が大幅に低下し、システムの刷新を余儀なくされるケースも少なくありません。
SFAによる営業管理
次に、SFAによる営業管理のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
SFAを活用する最大のメリットは、リアルタイムな情報の可視化と共有にあります。
外出先からの入力も即座に反映されるため、迅速な戦略調整が可能です。 また、営業プロセスの標準化と自動化により、組織全体の営業力を底上げできる点も大きなメリットです。
ナレッジの共有や進捗管理の明確化により、個人のスキルに依存しない安定した営業活動を実現します。
また、高度な分析機能と視覚的なダッシュボードにより、経営層が迅速かつ戦略的な意思決定を行える環境が整うことも、管理者視点での大きな特徴です。
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デメリット
SFAの最大のデメリットは、継続的なコストと定着までのハードルの高さです。ライセンス料や導入支援、カスタマイズにかかる初期投資に加え、月額費用も発生するため、慎重な費用対効果の検討が求められます。
さらに、組織に浸透するまでの時間も必要です。操作の習得や入力習慣の定着には組織的な変革管理が不可欠であり、十分に活用されるまでには数ヶ月から1年程度の期間を要する場合もあります。
SFAとExcelの選び方
ここまでSFAとExcelそれぞれの営業プロセス管理の方法を見てきました。それぞれメリットデメリットはありますが、営業組織を効率化し、売上拡大を狙うならSFAを導入することをおすすめします。
以下のように、Mazrica Salesを導入した企業では、導入から15ヶ月後に営業パーソン一人当たりの売上が中央値で39.6%改善されたというデータがあります。
関連記事:SFAの選び方|営業支援システム導入の9つのポイントを解説

これは、Mazrica Salesを活用することで、営業パーソン一人一人の営業生産性が向上したことを示しています。
さらにこの調査では、営業組織全体で、成約率で31%、案件単価で7%の向上がみられたことがわかりました。
このような営業の質的改善が営業の生産性の向上に影響しています。
▶︎▶︎Excelでの営業管理の限界とは?SFAに切り替えるべきタイミングを知りたい方はこちら
一般的にSFAを導入するにあたって、導入の際のハードルにあがるのがコストです。SFAはMust HaveではなくNice to Haveのツールと言われています。社用のPCなどは導入がほとんどの企業で必須ですが、SFAの場合そうではありません。
そのため、コストを重く捉えて導入が先延ばしになるケースが多いようです。
しかし、グラフが示す通り、SFAの導入に成功すれば導入時のコストなど容易に回収できます。そのためExcelとSFAで悩む際のポイントは以下の二つに集約されるでしょう。
①会社のフェーズ 売上向上が目標になっているか
たとえばプロダクトマーケットフィットが完了していないフェーズでのスタートアップ企業の場合、SFAの導入よりも前にやるべきことがあります。事業をグロースさせるタイミングで導入を検討するのが賢明でしょう。
②そのSFAは運用できるのか
コストという観点で考えるのであれば、費用よりも運用コストを重視すべきです。費用は先ほど説明した通り回収可能ですが、運用できなければ何の成果もあげることができません。
そのためそのSFAは自社で運用できるのかどうかをSFA比較検討軸の際の軸に置くべきです。
関連記事:【Mazrica Sales 活用事例】Excel管理から脱却し営業活動を効率化する方法


















