目まぐるしく変わる世の中で、営業の役割も日々変わっています。
そんなときに、自分のスキルに不安を持つ営業職の皆さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
「自分の営業のスキルはどれくらい?」「営業のスキルアップのためには何をすれば」「自分の営業の実力を確かめたい」……。
そんな不安に役立ってくれるのは自分の実力を分かりやすく示してくれる、営業に関するテストや資格です。
もし資格やテストの点数を持っていれば、転職などにも役立つかもしれませんよね。
そこで、この記事では営業職におすすめな資格についてご紹介します。
営業としての自分の実力を証明するための資格
この記事では、営業の資格を「営業としての自分の実力を証明するための資格」と「営業としてのステップアップのために必要な資格」の2種類に分けて紹介します。
営業の資格と一口で言っても必要なものは人によって違います。
そこで、まずは「営業としての自分の実力を証明するための資格」として営業職全般に通用する資格をご紹介します。
営業士検定
日本営業士会(JSP)が行う唯一の検定試験です。
合格すると「営業士」としての認定を受けられます。
日本営業士会によると内容は以下の通り。
<初級>
営業従事者に関する全般的な基礎知識を理解している。
営業従事者として、必要なスキルと基本的な方向性について理解している。営業担当者などが対象。
<上級>
企画型営業の応用知識を習得している。
営業、営業企画、マーケティング、マネジメントおける応用知識を習得している。中堅幹部クラスが対象。
<マスター>
経営に関する高度の専門的な知識を身につけ、経営、営業事業評価等の実践知識を習得している 。
営業戦略立案・実行、コーディネート手法における知識を習得している。幹部クラスが対象。
このように、マスターまでとるとかなり高度な内容まで身につくことが分かります。
これからインサイトセールスといった新しい営業が必要な時代になってきますが、そうした営業に必要な知識まで網羅している検定と言えるでしょう。
受験時期と金額
営業士検定は、通年でオンライン受験が可能です。
受験料は、初級が9,900円(税込)、上級が13,200円(税込)、マスターが14,300円(税込)です。
関連記事:インサイト営業とは?従来の営業との違い・メリットや3つの成功事例を紹介
営業力強化検定
自分の営業力を測ることのできる検定です。
この検定の魅力はなんといってもその安さと手軽さ。
50分1000円で気軽に自分の営業力を調査することができます。しかも、自分の営業力の課題が受験後すぐにレーダーチャートで分かります。
まずはこの試験を受けて足りない部分を見つけてからスキルアップのために努力をする、もしくは単に自分の営業力を測ってみる、など一番初めに手をつけてみたい検定です。
受験時期と金額
営業力強化検定は、通年で受験が可能です。
受験料は5,200円(税込)です。
TOEIC
言わずとしれた非英語語者を対象とした英語のテストです。
主にリスニングとリーディングの2つの分野から英語力を測ってくれ、自分の英語力を正確に知ることができます。
TOEICで800点以上を取れていれば英語が武器になると言えるでしょう。
グローバル化の進む世界の中できちんと点数をとり、海外向けの営業の仕事もできるように、もしくは海外のお客様とコミュニケーションが取れるようにしておきたいところです。
現在、スピーキングとライティングのテストも実施されているので、従来のTOEICテストだけでなく、そちらもチェックしておきたいですね。
受験時期と金額
TOEIC L&R公開テストは、毎月1回実施されています。
受験料は7,810円(税込)です。
ステップアップのための資格 l 営業の業種別に紹介
次に、営業としての自分の実力に、プラスアルファの付加価値をつけたい方におすすめの資格を営業の業種別にご紹介します。
コンサルティング・法人営業に有効な資格
まず最初に紹介するのは、コンサルティングや法人営業に有効な資格です。
経営に関する資格を二つ紹介します。
中小企業診断士
企業の経営に関わる事柄を身につけられるのが中小企業診断士の資格です。
この試験は難関であることも知られ、最終的な合格率は3%から6%と言われています。
営業の形が「ただものを売る」ことから「課題を発見し、ソリューションを提供する」ことに変化している現代には、非常に役立つ資格です。
しかし、取得のためには一次試験の試験科目だけで以下の7科目を勉強しなくてはなりません。
①経済学・経済政策
②財務・会計
③企業経営理論
④運営管理
⑤経営法務
⑥経営情報システム
⑦中小企業経営・政策
の7つですが、勉強をしてみて営業のために得るものは多いはずです。
営業職として頭一つ抜けるために受けてみることをおすすめします。
受験タイミングと金額
中小企業診断士の試験は、第1次試験が8月上旬、第2次試験が10月下旬に行われます。
受験料は、第1次試験が14,500円、第2次試験が17,800円です。
MBA(経営学修士)
MBAはMaster of Business Administrationの略称で、つまり「経営学修士」ということです。
資格というよりは、大学院やビジネススクールを卒業することでもらえる、れっきとした学位です。
先ほどの営業力強化検定とはうってかわり、時間も根気もいるのがMBA。
しかし、それだけにその実力は折り紙つきです。
取得方法は以下の3つです。
①海外のビジネススクールに留学(2年)
②日本の経営大学院に進学(フルタイム/パートタイム、2年)
③日本か海外の経営大学院に通信教育で進学(2年)
欧米では大手企業のCEOの約4割がMBA持ちとも言われ、ビジネスマンなら一度は憧れるこの学位。
この資格を学ぶ過程で、経営学の専門知識を習得することができます。
特に、企業の経営層を相手にする営業においては、高い説得力を持つ提案が可能になります。
受験タイミングと金額
MBAは大学院やビジネススクールを修了することで授与される学位であり、決まった受験タイミングや受験料はありません。
各スクールの入学試験は年に複数回実施される場合が多く、費用は国や学校によって大きく異なります。
IT・ソリューション営業に有効な資格
次にご紹介するのは、IT・ソリューション営業に有効な資格です。
IT営業をする上で最低限必要な知識が身につけられる資格を2つ紹介します。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する幅広い知識を有することを認定する資格です。
昨今のビジネスシーンにおいて、PCやタブレットなどのデバイスを使いこなすことが必須となっており、IT業界以外の多くのビジネスパーソンにとって必須の資格となっています。
ITの技術面だけでなく、経営に関するストラテジ科目やIT管理に関するマネジメント科目も出題されるのが特徴です。
ITパスポートを取得するために勉強することは、情報処理の仕組みを学ぶのに役立つだけでなく、経営全般に関する知識も習得できます。
IT業界でのわかりやすいセールストークから、マニュアル外の挙動が発生した場合の対処まで、幅広い知識を身につけられるため、顧客からの信頼を得やすくなるでしょう。
受験タイミングと金額
ITパスポートは、全国の試験会場で随時開催されています。
受験料は7,800円(税込)です。
基本情報技術者
IT営業に必須、かつこれからの時代に向けて持っておきたい資格は基本情報技術者です。
この資格は「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」を証明する資格です。
商品を売る際に商品の裏側の技術を知っておかないことには仕事は始まりません。
そのために、IT営業ならば必ず取っておきたい資格といえます。
受験タイミングと金額
基本情報技術者試験は、通年でCBT方式(Computer Based Testing)で実施されています。
受験料は7,500円(税込)です。
本当に営業が求めるべきものとは
以上、個々人の営業のスキルアップのために必要な資格をご紹介しました。
しかし、ここで一つ考えて欲しいことがあります。
「ただ一人の個人のレベルをあげるだけで会社の営業職全体の売り上げが上がり続けるだろうか?」という点です。
一人一人が営業のための能力を身に着けるに越したことはありませんが、社内でただ一人が突出していても他の営業の能力が不足していれば、会社の売り上げはどこかで必ず頭打ちになってしまいます。
会社が目指すべきことは、卓越した営業マンを一人だけ抱えることではなく、営業のメンバー全員がトップ営業と同等の働きができるようになり、メンバー全員が営業職としての力を完全に発揮できるようになることなのです。
営業の属人化の解消
現在、営業の世界では営業の属人化の解消が目指されています。
これは、言い換えれば「営業プロセス・営業活動を標準化してトップ営業以外の営業メンバーでも売れるようになる」ということです。
個人任せになっていた営業の仕事一つ一つを機械に任せることで、営業全体の成約率をあげて効率化する方法なのです。
より高い目標のために
そこで資格を取ることもいいかもしれないですが、営業全体の効率をあげるためにおすすめしたいのがMA(マーケティングオートメーション)、SFA(営業支援ツール)、CRM(顧客管理システム)の3つのデジタルツールです。
これらのツールを活用することで、資格を取る/取らせるよりもより効率よく営業の業務の改善を行うことができます。
SFAに関する記事はこちら:
Mazrica Sales(マツリカセールス)の例
例えば、弊社が提供するSFA・Mazrica Salesでは顧客のデータを蓄積することでAIが案件の管理をしてくれると共に、営業が次にすべき最適な業務の内容・時期を教えてくれます。
案件ボードで営業の案件を一括管理することで、今まで複雑だった営業の進捗も一目で分かるように。

さらに、G−Suiteと連携できるため、Gmailで送ったメールの内容もMazrica Sales内に蓄積されていきますし、Googleカレンダーに登録された内容もMazrica Sales内で様々な情報とともに参照できるようになります。
Mazrica Salesを使えば、今まで営業の手をわずらわせてきた日々の日報業務や複雑なスケジュール管理といった雑務から解放され営業の一つ一つにじっくり注力できるようになります。
このように、デジタルツールを有効活用して営業を効率化させることも一つの手なのです。
終わりに
より「強い」営業になるためにおすすめの6つの資格をご紹介しました。
上の資格はいずれも自分の営業のスキルアップや営業力の確認に一役買うはずです。
ぜひ一度受験を検討されることをおすすめします。
しかし、資格を取るだけでなく自社の営業全体の力の底上げを考えるならば、資格を取るだけではなく、MA/SFA/CRMなどの便利なツールを導入することも手でしょう。
効率の良い営業を目指すことで、成果が増加することが考えられます。
SFA/CRM分類チャート 4つのタイプ
【2024年最新版】実はSFA/CRM(営業支援ツール)は国内だけでも、40種類以上の製品があります。その中から自社にとって最適なツールを予算内で探してくるのはとても大変ですよね… このebookでは、SFAを特徴から4つのタイプに分類し、それぞれがどんな企業にマッチするかについて解説しています。
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