日々の営業活動の中で、次のように感じたことはありませんか?
- 「お客様とは盛り上がるのに、なぜか契約に結びつかない。」
- 「頑張っているのに、思うように成績が伸びない。」
このような状況に陥る原因の多くは、クロージングのやり方に問題がある、もしくはそもそもクロージングを意識できていないことにあります。
実は、クロージングのスキルを身につけるだけで、契約率が大きく向上し、営業成績が劇的に変わることも珍しくありません。
本記事では、「クロージング効果を高める10のテクニック」や「クロージングで成約率を上げる4つのコツ」を分かりやすく解説します。
クロージングとは?
クロージング(Closing)とは、「終わり」や「締めくくり」を意味する言葉であり、営業活動においては顧客と契約を締結するための最終段階を指します。
単なる契約手続きにとどまらず、契約に至るまでの全ての行動や対話を含む重要なプロセスです。
例えば、商談の場では、顧客の疑問や不安を解消することが求められます。顧客の疑問や不安の背景にある問題やニーズをしっかりと把握し、適切な解決策を提示することで、顧客が契約に前向きになる環境を整えるのです。
また、提案内容を明確にしつつ、相手が自信を持って「これに決める」と思えるよう促すことも、クロージングの重要な役割となります。
顧客にとっての最良の選択を示しながら、最終的な決断をサポートするプロセスこそがクロージングの本質です。
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クロージングの重要性
営業活動においてのクロージングの重要性を考える際、その逆のケースを想像すると理解が深まります。
例えば、商談の場でクロージングが行われず、「後日検討します」と顧客に決断を先延ばしにされてしまうとどうなるでしょうか。多くの場合、時間の経過とともに契約への意欲は薄れ、契約成立の可能性が低くなるリスクが高まります。
顧客が一旦冷静になると、「本当にこの商品やサービスが必要なのだろうか」と再び考え始めることがあります。その結果、別の選択肢を調べたり、周囲の意見を参考にしたりすることで、最終的に他社の商品やサービスを選ぶ可能性が出てきます。
このように、商談時のタイミングを逃すことは、契約獲得の大きなチャンスを失うことにつながるのです。
だからこそ、営業担当者は商談の中で、適切なタイミングで顧客の背中を押すことが求められます。クロージングは、単に契約を成立させるだけではなく、顧客が最良の選択をしたと安心できる状態を作るための手段です。
クロージングの基本的な流れとタイミング

クロージングは、営業プロセスの中でも重要な最終段階を担いますが、実際には「テストクロージング」「クロージング」「契約締結」の3つのフェーズに細分化できます。
まずは、クロージングに至るまでの準備から、各ステップの具体的な進め方について見ていきましょう。
0.ヒアリングと提案内容の要約
クロージングに入る前に、商談で話した内容を簡潔に振り返りましょう。
ヒアリングで確認した顧客のニーズや課題、提案内容を要約して相手に伝えることで、双方の認識を揃えることができます。
たとえば、「これまでのご要望を基に、こちらのプランをご提案しました。改めてポイントを整理しますと…」などの形で話すと、スムーズに次の段階に移行できます。
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1.テストクロージング
テストクロージングは、顧客の購買意欲や意思を確認するための重要なプロセスです。
テストクロージングでは、商談中に確認したニーズを踏まえつつ、不安や疑問がないかを探りながら相手の反応を伺います。
例えば、次のような質問を使うと効果的です。
- 「今回の提案内容について、ご興味を持っていただけましたでしょうか?」
- 「導入に際して、不明点や懸念点はございますか?」
こうした質問を投げかけることで、顧客の気持ちを整理し、次の段階に進む準備を整えます。
2.クロージング
テストクロージングを通じて購買意欲が確認できたら、次はいよいよクロージングです。クロージングでは、商品やサービスを導入することで得られるメリットを具体的に伝え、相手に導入後のイメージを明確にしてもらうことが重要です。
たとえば、「この商品をご利用いただくことで、業務効率がどのように向上するか、ぜひご想像ください」などの形で、具体的な変化をイメージさせると効果的です。
また、「現時点でご契約についてどのようにお考えでしょうか?」と確認することで、相手の意思決定を促しましょう。
3.契約締結
クロージングが成功すれば、最終的に契約締結のプロセスに進みます。
契約締結時には、契約書へのサインや捺印等の形式的な作業を進めるだけでなく、契約内容や規約について再確認し、不明点を解消するサポートが欠かせません。
締結後のトラブルを防ぐためにも、顧客との合意事項をしっかりと確認し、丁寧に対応することが求められます。
合意事項の確認においては、「それでは、お約束した条件に間違いがないか改めてご確認ください。内容に相違がなければ、こちらの署名欄とご捺印をお願いいたします。ご不明点があれば、どんな細かなことでもお知らせください。」などと伝えることができると、トラブルが起こりにくくなります。
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クロージングのタイミング
クロージングのタイミングは非常に重要です。
顧客が商品やサービスに「なるほど」と納得する瞬間、いわゆる“アハ体験”を得た後にクロージングを行うと成功率が高まります。
例えば、製品の機能やメリットを体験してもらうことで、「これなら使ってみたい」と思わせるのが効果的です。
製品の性質上、実際に試してもらえない場合は、具体的な事例を通じてアハ体験をイメージしてもらいましょう。クロージングのタイミングを考える時は、以下のことを参考にすることをおすすめします。
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顧客の反応
顧客が提案内容に対して肯定的な反応を示し、具体的な質問や関心を持つようになったタイミングは、クロージングを試みるべき合図です。
顧客が提案を受け入れ、次に進む準備ができていることを示しています。
購買シグナル
顧客が価格や導入スケジュール、契約内容といった実務的で具体的な質問をしてきた場合、それは購入を真剣に検討している購買シグナルです。
このシグナルを見逃さずに、すぐにクロージングに進む準備を整える必要があります。
顧客とのコミュニケーション
顧客との対話を通じて、導入のメリットや前向きな意見が増えてきたら、タイミングを逃さずにクロージングを試みるべき瞬間です。
この見極めを慎重に行うことで、契約成立の確率は大きく高まります。
クロージング効果を高める7のテクニック
営業活動でクロージングを成功させるためには、さまざまなテクニックを活用することが重要です。
特に「タイミング」「話し方」「話す内容」の3要素を適切に組み合わせることで、成約率を大きく高めることができます。ただし、すべての顧客に当てはまる「正解」は存在しません。それぞれの顧客の個性や状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
ここでは、営業現場で役立つ10の具体的なテクニックを紹介します。どの方法も顧客心理を踏まえたものであり、すぐに実践できる内容です。
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①ドア・イン・ザ・フェイステクニック
「ドア・イン・ザ・フェイステクニック」は、交渉や営業の場で心理的な効果を活用した手法です。
最初にあえて高めの条件や価格を提示し、断られた後に、より妥当な条件を提示することで、顧客に「譲歩してもらった」と感じさせる方法です。
たとえば、月額100万円のプレミアムプランを最初に提示し、「本命」である月額20万円のベーシックプランを後から提案する場合を考えてみましょう。
顧客は最初の価格が高額すぎるため断りますが、その後に提示された条件が合理的に見えるため、結果的に契約に至る可能性が高まります。
関連記事:ドア・イン・ザ・フェイスとは?交渉にも使える営業パーソンが知るべき心理テクニック
②損失回避の法則
「損失回避の法則」とは、人は「何かを得る可能性」よりも「何かを失う可能性」に対して強く反応するという心理的傾向のことです。
たとえば、「この製品を導入すれば業務効率が20%向上します」と伝えるよりも、「導入しないままだと、無駄な工数で月に20時間以上の作業ロスが発生し続けます」と伝えるほうが、相手の行動を促しやすくなります。
実際に損失回避の法則を活用する際には、商品やサービスの希少性や、利用しないことで被る具体的な損失を明確に伝えることが効果的です。
関連記事:営業に役立つ心理学テクニック10選【営業担当者必見】
③ゴールデンサイレンス
ゴールデンサイレンスとは、顧客が考えている沈黙の時間のことです。
営業担当者の中には、商談中に沈黙が訪れることを恐れ、必要以上に話し続けてしまう人もいます。
しかし、特に大きな金額や重要な契約であればあるほど、顧客には考える時間が必要です。沈黙を活用することで、顧客が自分のペースで納得する決断を下せる環境を作ることができます。
提案内容を説明した後、顧客が考え込む様子を見せた場合は、あえて口を閉じ、相手が意見を述べるのを待ちましょう。沈黙の時間を恐れずに受け入れることで、顧客は自分のペースで結論を導き出せます。
④YES AND法
YES AND法は、顧客の意見に共感しつつ、自分の提案を自然に織り交ぜる効果的な話法です。
たとえば、顧客が「コストがもう少し安ければ検討したい」と述べた場合に、「おっしゃる通りです。それに加えて、このプランでは長期的に〇〇の効果が期待できます」と答えることで、顧客の意見を尊重しつつ、新たな視点を提供できます。
YES AND法は、単なる反論ではなく、顧客との信頼関係を深めるためのツールとして有効です。また、顧客が不安や疑問を抱えている場合でも、まず共感することで安心感を与え、その後に解決策を提示する流れがスムーズになります。
5.ifクロージング
ifクロージングとは、「もし~だったら」という仮定の質問を用いることで、顧客にその製品やサービスを実際に利用する具体的なシーンをイメージさせるクロージングテクニックです。
仮定の質問を投げかけることで、顧客は「導入するかどうか」ではなく「いつ、どのように導入するか」という具体的な状況を考えるようになり、購買意思を自然に引き出すことができます。
「もしこの製品を導入する場合、導入時期はいつが理想ですか?」や、「もしこのサービスを利用する場合、どのプランが最適だと思いますか?」といった質問が挙げられます。
顧客の思考を契約への前提に移行させ、導入後のイメージを具体化させることで、契約へと進む流れをスムーズに作り出すことができます。
6.松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、製品やサービスを三段階の価格帯で提示することで、多くの顧客が中間の選択肢(竹)を無意識に選ぶ傾向にあるという人間の心理を利用したテクニックです。
顧客に「買うか買わないか」という二者択一の決断を迫るのではなく、「どれを選ぶか」という選択を促す形にすることで、購買への心理的ハードルを下げることができます。
製品を「高級(松)」「標準(竹)」「経済的(梅)」といった三つの価格帯で提供し、顧客が標準的な選択肢(竹)を選びやすい状況を作り出すことで、結果的に購買を促進します。
中間のプランを選択させる確率を高め、顧客の意思決定を支援することで、成約率の向上に貢献します。
7.アンカリング
アンカリングとは、最初に提示された情報(アンカー)が、その後の判断や評価に大きな影響を与える心理現象です。
アンカリングを利用することで、顧客の心理的なバイアスをクロージングに活かすことが可能になります。
まず最初に最高価格帯の製品やサービスを提示することで、顧客の心の中に「高い」というアンカー(錨)を打ち込みます。
その後に提示される、顧客に本当に購入してほしい中価格帯や低価格帯の提案が、最初に提示された高い価格と比較して相対的に「お得」あるいは「安価」に感じられるようになり、購買意欲を高めることができます。
クロージングで成約率を上げる6つのコツ
クロージングは商談の最後の段階に焦点を当てがちですが、実際には営業活動の最初から意識すべきプロセスです。
顧客心理を深く理解し、契約までの流れを一貫して設計することで、成約率を飛躍的に向上させることができます。ここでは、成約率を上げるために役立つ4つのコツを具体的に解説します。
関連記事:受注率を上げるには?受注率向上のための7つの方法とツールを紹介!
自社商品・サービスや競合に詳しくなる
営業担当者が自社商品やサービス、競合の状況をしっかりと理解することは、顧客に信頼される第一歩です。
単に資料を読み上げるだけではなく、なぜその商品が顧客の課題を解決できるのか、具体的なストーリーで説明できるようにしましょう。
例えば、「このサービスを使えばコストが35%削減できます。」と伝える際には、削減の仕組みや具体的な業務改善の事例を示すと効果的です。また、競合商品との比較を適切に行い、独自の強みをアピールすることで、顧客の信頼を高められます。
顧客は営業担当者の知識の深さに比例して安心感を得るため、事前の準備を徹底し、自信を持って説明できるようにしましょう。
関連記事:セールスバトルカードとは?受注促進の営業カンニングペーパー
顧客の予算・相場観を確認する(BANT条件)

顧客に最適な提案をするには、「BANT条件」を押さえることが重要です。BANT条件は、「B: 予算」「A: 決定者」「N: ニーズ」「T: タイミング」の4要素で構成され、顧客の見込み度合いを判断するのに役立ちます。
特に予算に関するヒアリングは重要です。事前に予算を確認することで、顧客に合ったプランを提案しやすくなり、安心感を与えられます。
また、顧客が持つ相場感を把握することで、自社商品の価値を効果的に伝えるポイントを見つけることができます。
例えば、価格が高い場合でも、機能性やサポートの充実度、導入後のコスト削減や課題解決のメリットを具体的に示すことで、価格に見合う価値を納得してもらえます。
相場感を確認することは、顧客とのスムーズなコミュニケーションと信頼構築につながります。
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契約の流れをあらかじめ伝えておく
契約へ進む際、顧客は「締結後に自分は何をすればよいのか」を正確に把握できていないと、不安を抱きやすいものです。
そのため営業担当者は、書類の取り交わしから導入準備、サポート開始までの手順をあらかじめ提示し、契約後に起こることを具体的にイメージしていただけるようにする必要があります。
営業側にとって署名の取得はゴールに映りがちですが、顧客にとってはそこがスタートラインです。書類へのサインだけを急かし、後工程の説明をおろそかにしてしまうと、「この担当者は自社の数字しか気にしていない」という印象を与え、土壇場で失注する恐れがあります。
契約後のスケジュールや担当窓口、初期設定のサポート範囲などを丁寧にご案内し、その場で疑問点を解消していただければ、顧客は安心して契約書にサインできます。
結果として信頼感が高まり、成約率はもちろん、今後の継続利用の可能性も向上します。
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事前に不安材料を聞き出し、解消する
商談の場において、成約を左右する重要な要素の一つが、相手の抱える不安をいかに取り除くかという点です。
どれだけ魅力的な提案であっても、相手に一抹の疑念や引っかかりが残っていれば、最終的な決断には至りません。
営業の現場では、「目には見えない不安」に丁寧に向き合う姿勢が求められます。
たとえば、相手は「もっと安価な選択肢があるのではないか」といった価格面での懸念を持っているかもしれません。
あるいは、「同じ価格帯でもっと優れた製品やサービスが他にあるのでは」と、コストパフォーマンスへの疑問を抱いているケースもあるでしょう。
このような背景をふまえると、単に製品の機能や価格の優位性を説明するだけでは不十分であることがわかります。
そこで重要になるのが、相手の抱える課題の本質に働きかける提案です。
表面的なニーズに対応するのではなく、「そもそも何が真の課題なのか」「なぜそれが問題になっているのか」という根源的な部分に寄り添い、そのうえで自社の製品・サービスがどのように課題を解決し得るのかを、論理的かつ誠実に伝える必要があります。
導入するメリットを事例で明確にする
顧客の信頼を得るためには、実際の成功事例を活用することが効果的です。単なる説明では説得力に欠けることがありますが、
具体的な導入事例を提示することで、商品やサービスの効果を明確に伝えることができます。
例えば、「同じ業界で〇〇社がこのサービスを導入した結果、年間で25%のコスト削減を実現しました」などの形で、具体的な数字を示すと説得力が増します。
また、「導入後に顧客管理業務が大幅に効率化され、担当者一人あたりの作業時間が毎月20時間削減されました」のように、顧客が自分たちの状況に重ねて想像できるような事例を選ぶと、より効果的です。
ツールを活用する
営業プロセスを効率化し、クロージング成功率を高めるためには、SFA(営業支援ツール)やDSR(デジタルセールスルーム)の活用が非常に有効です。
SFA(営業支援ツール)
SFA(営業支援ツール)とは、英語の「Sales Force Automation」の略語で、 企業の営業活動における情報全般をデータ化して蓄積し、分析することができるソフトウェアです。
SFAを活用すると、商談進捗や顧客情報を一元管理し、適切なタイミングでアプローチできるようになります。
つまり、SFA(営業支援ツール)の導入により、クロージング率を高められるのです。
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DSR(デジタルセールスルーム)
DSR(デジタルセールスルーム)とは、BtoB企業が見込み顧客と情報や営業コンテンツを共同し、効率的な営業活動を行うことを目的としたオンラインスペースのことです。
DSR(デジタルセールスルーム)では、売り手と買い手がリアルタイムでチャットのやり取りをしたり、チャットや動画メッセージ、資料の共有などによってオンデマンドでの交流を行うことができます。つまり、DSR活用によってクロージングを早めることができます。
関連記事:デジタルセールスルーム(DSR)とは?複雑化するBtoB営業プロセスに有効な情報共有の場
クロージングでよくある課題と解決策
クロージングをする際には、相手から以下のような言葉を言われて戸惑うことがあります。
- 自分では決められない
- コスト面から導入が難しい
- 今すぐ導入する必要性を感じない
どうしようか迷う言葉かもしれませんが、それぞれの対処法を理解しておくことで成約に繋げやすくなります。順番に詳しく見ていきましょう。
自分では決められない
商談相手から「自分では決められない」と言われた場合、その人が実際の決定権を持っていない可能性があります。この状況を改善するためには、以下のような対応が必要です。
まず、商談の初期段階で「この提案に関する決定はどなたが行いますか?」と確認し、決定権を持つ人物と直接対話できるよう手配することが大切です。また、「では、〇〇様(決定権者)のご予定に合わせて、次回の商談をご調整いたしましょう。」などの形で、相手の協力を得ながら次のステップに進むのが効果的です。
もしも現在の商談相手が「影響力を持つ人」であれば、その人を通じて決定権者に提案内容を魅力的に伝えてもらう戦略も有効です。資料やプレゼンテーションの内容をわかりやすくまとめ、商談相手が情報を正確に共有できるようサポートしましょう。
コスト面から導入が難しい
「コストが高い」理由で導入を渋られることは、営業現場で頻繁に発生します。コスト面の壁を乗り越えるには、まず価格の背景や価値を丁寧に説明することが重要です。
例えば、「このサービスでは、年間で〇〇%の業務効率化が期待でき、結果としてコスト削減につながります」などの形で、価格に見合った価値を具体的に伝えます。また、「この機能は他社にはない独自の特徴です」と強調することで、価格以上の価値を感じてもらう努力が必要です。
場合によっては、顧客の予算に応じた別のプランや商品を提案することも選択肢の一つです。ただし、値引きを安易に行うのではなく、特定の条件を設けるなど、顧客にもメリットを感じてもらえる形で提案することが望ましいです。
今すぐ導入する必要性を感じない
顧客が「今すぐ導入する必要性を感じない」と言う場合、現状の課題を認識していない、または課題が緊急ではないと感じている可能性があります。
このようなケースでは、顧客の現状を掘り下げる質問を行い、課題を顕在化させることが効果的です。
例えば、「現在のプロセスで課題を感じることはありませんか?」や「競合他社ではこのような改善を行って成果を上げていますが、御社ではどのように対応されていますか?」などの質問を通じて、顧客が自分の課題を再認識する手助けをします。
また、現状を放置するリスクを説明するのも有効です。
「現在の方法を続けることで、今後〇〇のような問題が発生する可能性があります。」と伝えることで、顧客に問題解決の必要性を感じてもらうことができます。
▶︎▶︎クロージングの上手い営業パーソンが持っている4つの法則を知りたい方はこちら
顧客タイプ別のアプローチ方法
営業クロージングの成否は、顧客のタイプを見極め、その特性に応じたアプローチを取れるかどうかに大きく左右されます。ここでは、代表的な顧客タイプ別に有効なクロージングの手法と注意点をご紹介します。
1. 意思決定者(経営層・部門責任者)
まずは、意思決定者、すなわち経営層や部門責任者です。この層は、経営目線で投資対効果(ROI)や成果を重視し、意思決定のスピードを求めるという特徴があります。
そのため、クロージングにおいては、ROIや生産性向上など数字で語る具体的な提案が最も有効です。さらに、「このタイミングを逃すと〇〇の機会を失う」といった、機会損失にフォーカスした言葉で緊急性を伝えることも効果的です。
例えば、「本件は今月中であれば、最大20パーセントの費用対効果が見込めます。次月以降はこの条件が難しくなる可能性があります」といった形で、数字と期限を明確に示します。
2. 現場担当者(実務オペレーター)
次は、現場担当者、つまり実務オペレーターです。
彼らは日々の業務効率や製品の使いやすさへの関心が高く、新たな変化に対して慎重な姿勢を示すことが多いです。
現場担当者に対しては、実際の運用フローに寄り添った導入後のイメージを丁寧に共有するクロージングが有効です。
また、テスト利用や無料トライアル提案などを通じて、導入への心理的ハードルを下げることが重要になります。
具体的な例として、「まずは二週間、無料トライアルで実際の業務で試してみませんか?現場の皆さまのフィードバックも踏まえて改善案を一緒に考えます」といった、リスクを軽減する提案が有効です。
3. 技術・IT部門
最後は、技術・IT部門の担当者です。技術・IT部門は、セキュリティや既存システムとの連携、そして技術的な妥当性に最も重きを置きます。
したがって、システム連携の詳細な情報や技術資料の提示、必要に応じてエンジニア同士の会話機会を提案するクロージングが求められます。
Q&Aや仕様確認など、合意形成を意識した情報提供型のアプローチを取ることで信頼を獲得します。
例えば、「既存の基幹システムとのAPI連携実績があります。技術担当者様向けに詳細なドキュメントをご用意しておりますので、個別でお打ち合わせしませんか?」といった形で、技術的な懸念を払拭する情報を提供することが大切です。
まとめ|コツ・テクニックを生かしてクロージング力を高めよう
いかがでしたでしょうか。クロージング(Closing)とは、契約に至るまでのアプローチを含めた行動全体のことであり、「顧客と契約を締結すること」を意味します。
記事内ではクロージング率を高める方法についても紹介させていただきました。クロージング率を高める際の方法の1つとして「SFA(営業支援ツールを利用する」があります。
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