企業データベース比較10選|Mazrica Targetで選び方を解説
企業データベースとは、企業の基本情報・財務情報・組織情報などを集約し、条件検索・絞り込み・リスト作成・分析に使えるデータ基盤のことです。BtoB営業やマーケティング担当者が新規開拓や提案準備に使うツールですが、「種類が多くてどれが自社に合うかわからない」「選び方の基準がない」という声は絶えません。
この記事では、企業データベースの種類・選び方の5つの軸・代表サービス10選の比較を整理します。自社の課題に照らして候補を絞り込む際の判断材料として使ってください。
企業データベースとは
企業データベースとは、国内外の企業情報を一元管理し、業種・規模・地域などの条件で絞り込みや検索ができるデータ基盤です。営業・マーケティング担当者がターゲット企業のリスト作成や商談前の企業調査、与信確認などに利用します。
企業情報APIとの違い
「企業情報API」という言葉もよく目にしますが、目的が異なります。
データベース型はブラウザ上で検索・閲覧・リスト作成することが主目的で、担当者が画面を操作して情報を取り出します。API型はシステム間の自動連携・データ取得が主目的で、自社のSFAやWebサービスに企業情報を自動で取り込む際に使います。
担当者が手動で調査するシーンにはデータベース型、システムへの自動取り込みが必要なシーンにはAPI型が合います。両方を組み合わせているケースも少なくありません。
企業データベースが力を発揮する場面
企業データベースが特に役立つ場面は以下のとおりです。
- 新規顧客のターゲットリスト作成 業種・従業員数・売上高・地域などで条件を絞り込み、アプローチ先を一覧化する。
- 既存顧客の深耕・ホワイトスペースの特定 現在取引のある企業と類似した特徴を持つ未開拓企業を洗い出し、優先順位をつける。
- 商談前の企業調査・提案準備 事業内容・財務状況・組織情報などを事前に把握し、仮説を持った提案に備える。
- 市場・競合調査 業界の規模感や競合他社の動向を把握する。経営企画や新規事業検討でも使われる。
- 取引先・採用候補のリスク確認(与信・信用調査) 倒産リスクや信用スコアを確認し、新規取引の可否判断や既存取引の管理に役立てる。
企業データベースの種類と特徴
一口に企業データベースといっても、強みの方向性は異なります。大きく4タイプに整理すると選びやすくなります。
企業情報の網羅性に特化したタイプ
全国の法人情報を広範に収録し、与信管理や取引リスクの確認を主な目的とするタイプです。調査員による実地調査と公的情報の収集を組み合わせることで、中小・非上場企業の情報も充実しています。
収録件数が多く、倒産予測スコアや財務推移も把握できるため、新規取引前のリスク確認や既存取引先のモニタリングに向いています。帝国データバンク、東京商工リサーチ、uSonarなどが代表的なサービスです。
レポーティング・業界分析に特化したタイプ
個別企業の情報よりも、業界・市場全体の動向や競合分析に強みを持つタイプです。専門アナリストが作成した業界レポートや市場規模データを参照できるため、経営企画・新規事業・M&A検討などのシーンで活用されます。
営業リスト作成よりも「市場を理解する」「投資判断の根拠を揃える」という目的に合っており、コンサルタントや経営企画部門での利用が中心です。代表的なサービスはSPEEDAです。
営業リスト作成・効率化に特化したタイプ
新規開拓のリスト作成をシンプルかつ効率的に行うことを主目的とするタイプです。業種・規模・地域などの条件で絞り込み、そのまま営業チームで共有できる形式にエクスポートする機能に優れています。
UIが直感的で導入コストが低いものが多く、営業メンバー全員が日常的に使う用途に向いています。Musubu、SalesNowなどが代表的なサービスです。
提案準備・キーパーソン情報に特化したタイプ
ターゲット企業の担当者情報・組織構造・課題仮説などを整理し、商談前の提案準備を効率化することを主目的とするタイプです。単に企業情報を調べるだけでなく、「誰に・何を・どう提案するか」という仮説づくりまで支援します。
AIが企業分析レポートや提案書のたたき台を自動生成するサービスも含まれますが、これらの情報はAIが推定・生成したものであり、人物の実在確認などには一次情報での確認が必要です。Mazrica Target、infobox、Sales Retriever、Sansanなどが代表的なサービスです。
企業データベースの選び方
タイプが把握できたら、次の5つの軸で候補を絞ります。
- データの鮮度・更新頻度 情報源と更新タイミングを確認する。中小企業のデータは更新が遅れやすいため、自社がアプローチしたい企業規模帯のデータ品質をトライアルで確かめることが重要です。
- 収録件数・情報の充実度 必要な業種・規模帯をカバーしているかを確認する。「全体の件数が多い」だけでなく、自社がターゲットにする業界・規模で実際に絞り込めるかを検証する。
- 検索・絞り込み機能 条件設定の細かさ、リスト作成のしやすさを確かめる。業種・売上高・従業員数・地域に加え、採用情報や技術スタックなど独自の切り口を持つサービスもある。
- SFA/CRM連携のしやすさ APIの有無、標準連携先の範囲を確認する。「連携可」と表記されていても、CSVエクスポートのみの場合と、SFA内データを自動補完・名寄せする場合では実用性に大きな差がある。
- AI機能の有無と実用性 リスト自動作成・提案書生成・企業分析など、AIがどこまでの業務を代替するかを確認する。デモや試用で実際の精度を確かめてください。
データを「見るだけ」で終わらせるか、次のアクションにつなげるか
比較記事ではあまり触れられない観点ですが、データを「見るだけ」で終わるツールと、AIが次の提案内容・アプローチ先を示唆するツールは目的が根本的に異なります。
リスト作成や企業調査が目的なら前者で十分です。「受注率を上げたい」「提案の質を高めたい」という目的であれば、蓄積した営業データと企業DBを掛け合わせてAIが打ち手を示唆するタイプを選ぶ必要があります。
SFA/CRMへの自動補完・名寄せまで担うか
SFA内に蓄積した取引先データは、担当者の入力ゆれや情報の欠損が積み重なりやすい問題があります。リスト作成止まりのツールと、SFA内のデータを常時クレンジング・リッチ化するツールでは、導入後の運用負荷と営業判断の精度が変わります。CRM連携の深さは導入前に必ず確認しておくべき項目です。
営業生産性を高める観点での選び方については、営業効率化の4つの方法も参考にしてください。
企業データベース おすすめ比較10選
以下、4タイプ別に計10サービスを紹介します。各サービスの強みと向く用途を確認し、自社の課題に照らして選んでください。
| サービス名 | タイプ | 主な強み | SFA/CRM連携 | 向く用途 |
|---|---|---|---|---|
| Mazrica Target | 提案準備・AI分析 | 約560万社DB×AIで提案書・リスト・組織図を生成(※AI生成) | 可(Mazrica Sales他) | 受注率改善・提案品質向上 |
| 帝国データバンク | 網羅性・信用調査 | 全国調査員の実地調査・倒産予測値 | オンラインPDF取得等 | 与信管理・取引リスク確認 |
| 東京商工リサーチ | 網羅性・グローバル | D&B連携で海外5億件、リスクスコア | 可(API・名寄せ) | 大手・グローバル展開 |
| uSonar | 網羅性・ホワイトスペース | 1,250万件、ホワイトスペース可視化 | 可(顧客データ統合) | 既存顧客深耕・大手攻略 |
| SPEEDA | レポーティング | 専門アナリスト作成3,000本超のレポート | サービスによる | 経営企画・新規事業調査 |
| Musubu | リスト作成 | 140万件超、シンプル操作・チーム共有 | チーム共有機能あり | スタートアップ〜中堅 |
| SalesNow | リスト作成 | 500万件超・156項目検索・AIによるIR要約 | 可(Salesforce等) | 中堅〜大手のリスト作成 |
| infobox | キーパーソン情報 | 200種の特徴タグ・インテントデータ活用 | 可 | 戦略的BtoB営業 |
| Sales Retriever | 提案準備 | 50以上のソースから課題仮説・提案骨子を自動生成 | サービスによる | 提案型営業・受注率向上 |
| Sansan | 人脈・名寄せ | 名刺起点の人脈可視化・Data Hubでリッチ化 | 可(名寄せ連携) | 全規模・人脈活用 |
※掲載情報は2025年11月時点。最新情報は各社公式サイトへお問い合わせください。
Mazrica Target
Mazrica Targetは、国内約560万社の企業データベースと外部公開情報をもとに、AIがターゲット選定・企業分析・提案書作成・営業リスト作成までを一気通貫で支援する企業データベースです。
最大の特徴は、SFA/CRMに蓄積した営業データと企業DBを掛け合わせ、「誰に・何を提案すべきか」をAIが示唆する点です。Mazrica Sales専用ではなく、他社SFA/CRMや単独でも利用できます。
- AIによるターゲットリスト作成 AIチャットに条件を伝えるだけで、条件に合致した営業リストを生成します。
- AI企業分析・提案書生成 企業の課題・財務状況・事業内容をAIが分析し、提案書のたたき台をその場で作成します。PowerPoint形式でダウンロードして編集も可能です。
- 組織図・キーパーソン調査 Web公開情報をもとにAIが組織図を生成し、担当者情報をリスト化します。なお、組織図・担当者情報・企業分析レポートはAIが生成・推定したものであり、人物の実在や現職については直接確認が必要です。
提案品質の向上と商談準備の工数削減を両立したい営業組織に向いています。
帝国データバンク
帝国データバンクは、全国に調査員を持ち、実地調査による独自データを蓄積してきた企業信用調査の大手です。創業100年以上の歴史を持ち、非上場企業を含む広範な法人情報を収録しています。
- 実地調査による高精度なデータ Webや公開情報では得られない財務情報・代表者情報・取引先情報なども収録しており、中小・非上場企業の情報に特に強みがあります。
- 倒産予測スコア 独自の評点に基づき、取引先の信用リスクを定量的に把握できます。新規取引開始前の与信判断に広く使われています。
- 信用調査レポート 個別企業の調査レポートを取得でき、重要な取引先については詳細な背景情報を確認できます。
与信管理・取引リスクの確認を主目的とする組織に向いています。
東京商工リサーチ
東京商工リサーチは、帝国データバンクと並ぶ国内大手の企業信用調査機関です。世界最大の信用調査会社であるD&Bとの連携により、国内にとどまらずグローバルな企業情報にも強みを持ちます。
- グローバル対応 D&Bのネットワークを通じて海外5億件超の企業データにアクセスでき、海外取引先の調査・与信管理に対応しています。
- リスクスコアリング 企業ごとのリスクスコアを提供し、取引先ポートフォリオ全体のリスク管理に活用できます。
- API・名寄せ連携 SFAやERP等との連携も可能で、自社システムへの企業情報の取り込みや既存データとの名寄せにも対応しています。
グローバル展開を視野に入れた大手企業や、信用調査をシステムに組み込みたい組織に向いています。
uSonar
uSonarは、1,250万件超の企業データをもとに、既存顧客の深耕やホワイトスペースの可視化に強みを持つ企業データベースです。SFA/CRMと連携し、顧客データを統合して活用することに特化しています。
- ホワイトスペース可視化 既存顧客の取引状況と企業DBを掛け合わせ、まだアプローチできていない潜在顧客層(ホワイトスペース)を特定できます。
- 顧客データ統合 SFA/CRMに蓄積した取引先データを企業DBと照合し、表記ゆれの統合や不足情報の補完を自動的に行います。
- グループ企業の把握 親子会社関係を可視化することで、大手企業グループへの攻略計画を立てやすくなります。
既存顧客の深耕や大手攻略を強化したい営業組織に向いています。
SPEEDA
SPEEDAは、ユーザベースが提供する経営・事業戦略向けの企業・業界情報プラットフォームです。財務データや企業情報の網羅性よりも、業界の構造・市場規模・競合動向を把握するレポーティング機能に強みがあります。
- 専門アナリスト作成のレポート 3,000本超の業界・市場レポートを閲覧でき、特定市場への参入検討や競合調査の質を高めます。
- 財務・M&Aデータ 上場企業の詳細な財務情報やM&A事例を参照でき、投資判断や事業開発の根拠として活用できます。
- 横断的な市場分析 複数の業界を横断して比較分析する機能があり、新規事業領域の絞り込みに役立てられます。
経営企画・新規事業・M&A検討など、市場を理解することを主目的とする部門に向いています。
Musubu
Musubuは、140万件超の企業データを対象にシンプルな操作でリスト作成・共有ができる企業データベースです。スタートアップや中堅企業の営業チームに広く使われています。
- シンプルな操作性 業種・規模・地域などの条件を直感的に設定し、すぐにリストを作成・エクスポートできます。ITリテラシーにかかわらず営業メンバー全員が使いやすい設計になっています。
- チーム共有機能 作成したリストをチームで共有し、アプローチ状況を管理できます。重複フォローや抜け漏れを防ぐ用途にも使われます。
- 手頃なコスト感 高度な分析機能よりもシンプルなリスト作成の実用性を重視した設計で、費用対効果の高さが特徴です。
新規開拓のリスト作成を効率化したいスタートアップ・中堅規模の営業チームに向いています。
SalesNow
SalesNowは、500万件超の企業データと156項目の検索条件を組み合わせた精度の高いリスト作成機能と、AIによるIR情報の要約機能を持つ企業データベースです。
- 156項目の詳細検索 業種・従業員数・売上高といった基本条件に加え、採用情報・技術スタック・資金調達状況など細かい条件で絞り込めます。
- AIによるIR要約 上場企業の決算資料・IR情報をAIが要約して表示するため、商談前の企業調査を効率化できます。
- SFA連携 Salesforceなどの主要SFAとの連携に対応しており、リストをそのままSFAへ取り込む運用が可能です。
中堅から大手企業を主なターゲットにして、精度の高いリスト作成と提案準備を両立したい組織に向いています。
infobox
infoboxは、企業情報に加えてキーパーソンの情報・インテントデータを活用した戦略的なBtoB営業支援に特化した企業データベースです。
- 200種の特徴タグ 企業の特徴・課題・優先度をタグで整理し、ターゲットの絞り込み精度を高めます。
- インテントデータの活用 特定のテーマに関心を持っている可能性が高い企業・担当者を特定することで、タイムリーなアプローチが可能です。
- キーパーソン情報の充実 部署・役職・メールアドレスなどの担当者情報を参照でき、アプローチ先の選定に役立てられます。
担当者レベルのアプローチと戦略的なターゲティングを組み合わせたい、中堅から大手向けのBtoB営業組織に向いています。
Sales Retriever
Sales Retrieverは、50以上の情報ソースから企業の課題仮説・提案骨子をAIが自動生成する提案準備特化型の企業データベースです。
- 課題仮説の自動生成 IRレポート・ニュース・採用情報・競合情報など多様なソースをもとに、AIがターゲット企業の課題と提案仮説を自動で整理します。
- 提案骨子の作成支援 生成された課題仮説をもとに提案骨子のたたき台を作成でき、商談準備の工数を大幅に削減できます。
- 情報収集の一元化 複数のソースを個別に調べる手間をなくし、1つの画面で提案に必要な情報をまとめて把握できます。
提案型営業を行う組織で、商談の質と受注率の向上を優先する場合に向いています。
Sansan
Sansanは、名刺管理を起点に人脈情報を可視化・活用するビジネス向けサービスです。Data Hub機能により企業データベースとしての側面も強化されています。
- 名刺起点の人脈可視化 組織内の名刺情報を一元管理し、「誰がどの企業の誰と接点を持っているか」を可視化して組織的な営業に活用できます。
- Data Hubによるデータリッチ化 名刺情報に対して外部の企業情報を自動付与し、SFAへの連携データの質を高めます。
- SFA連携と名寄せ 主要SFAとの連携に対応しており、名刺から取り込んだ人物・企業データをSFA上で活用できます。
組織内の人脈を資産として活用したい、全規模の営業組織に向いています。
導入前に確認しておくべきこと
企業データベースは便利な反面、利用前に把握しておくべき制約があります。比較記事ではあまり触れられていない点ですが、導入後のギャップを防ぐために確認しておいてください。
- データの正確性には限界がある Web公開情報・自社調査を組み合わせて構築されていますが、中小企業の情報は空白・古いデータが残る場合があります。重要な意思決定(与信・契約)の前は一次情報での確認が必要です。
- AI生成情報は推定を含む 組織図・担当者情報・企業分析レポートなどはAIが生成・推定したものです。人物の実在・現職の確認は直接行う必要があります。
- SFA/CRM連携の深さは製品によって大きく差がある 「連携可」と記載されていても、CSVエクスポートのみの場合と、SFA内データを自動補完・名寄せする場合では実用性に大きな差があります。API仕様・連携項目を事前に確認してください。
- 価格は用途・件数・オプションで変動する 多くのサービスは要問い合わせの価格体系です。導入前にトライアルやデモで実際のデータ品質と操作感を確かめてください。
- リストを作るだけでは営業成果につながらない 企業データベースはあくまでツールです。「誰に」「何を」提案するかの仮説をセットで持てるかどうかが、成果の分岐点になります。
自社の課題から逆引きする
企業データベースは種類が多く、同じ「比較」で並べても目的によって正解が異なります。以下の表で自社の課題に近い行を確認し、候補を絞ってください。
| 課題 | 向くタイプ | 代表サービス例 |
|---|---|---|
| 与信管理・取引リスク確認が主目的 | 網羅性・信用調査型 | 帝国データバンク、東京商工リサーチ |
| 市場・競合調査・経営企画での分析 | レポーティング型 | SPEEDA |
| 新規開拓のリスト作成を効率化したい | リスト作成特化型 | Musubu、SalesNow |
| 提案の質・受注率を上げたい | 提案準備・AI分析型 | Mazrica Target、Sales Retriever |
| 既存顧客の深耕・大手攻略 | 網羅性・ホワイトスペース型 | uSonar |
| 人脈をデータに変えて営業に活かしたい | 人脈・名寄せ型 | Sansan |
「AIが次のアクションまで示唆するかどうか」を重視するなら、[Mazrica







