「SFA(営業支援システム)を検討しているが、コストに見合う効果が本当に出るのだろうか?」
「上申にあたって、投資対効果(ROI)を明確に示したい」

SFAの導入を検討し、具体的な選定フェーズに入っている担当者や決裁者の方ほど、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。

SFAは正しく活用すれば、属人化した営業組織を「データに基づいた高収益体質」へと変える力を秘めています。しかし、導入すること自体が目的になってしまい、期待していた効果を得られずに形骸化してしまう企業が少なくないのも事実です。

本記事では、SFA導入によって得られる効果を、経営者・マネージャー・現場というそれぞれの視点から具体的に解説します。さらに、「ROI(投資対効果)を最大化させるためのポイント」や、実際に成果を出した企業の成功事例についても詳しく紹介します。

SFA導入の目的と必要性

SFAとは、「Sales Force Automation」の略であり、「営業支援ツール」を意味します。

SFA(Sales Force Automation)は企業の営業活動における情報全般をデータ化して蓄積し、分析することができるソフトウェアです。また、営業が商談を開始してから受注に至るまでの進捗状況を可視化し、その活動の管理を行います。

このように営業活動をデータとして捉え直すことで、組織はどのような変革を目指すべきなのか。導入の背景にある4つの本質的な目的と必要性を整理します。

関連記事:SFAとは?CRM・MAとの違いや選び方と営業の成功事例まで解説

属人化した営業プロセスを「組織の資産」へ変えるため

SFAにより営業活動が可視化されることで、これまでブラックボックスだった個々の営業プロセスが明確になります。

その結果、成績優秀者の営業手法や、類似ケースにおける成功ノウハウなど優れたナレッジを共有することで、企業全体の営業力強化につながります。

また、個人の経験や勘に頼った営業スタイルは、担当者の離職や異動がそのまま企業の損失につながるリスクを孕んでいます。

SFAにより、「いつ、誰が、どのような提案で成果を出したか」を蓄積し、共有可能なナレッジへと転換することで、個人のスキルに依存しない、組織としての強固な営業基盤を構築することが可能になります。

関連記事:営業ナレッジマネジメントとは?意味や手法・事例を解説

労働時間に頼らない「営業生産性」の向上を実現するため

営業活動の改善には、営業プロセスの可視化が不可欠です。しかし、口頭や紙ベースの報告では、詳細なプロセス情報の共有やリアルタイム更新が困難で、情報共有に課題を抱える企業も多いのが実情です。

SFAを導入すれば、それらの情報を適切に表示・提供でき、社員に過度な負荷をかけずに「営業の可視化」を実現可能です。

さらに、営業活動を可視化・管理することで、注力すべき商談の優先順位が明確になります。 売上を伸ばすために「訪問件数や労働時間を増やす」という手法には限界がありますが、SFAを活用すれば、データに基づいて「成約可能性の高い案件」を見極め、リソースを集中させることができます。無駄な事務作業を省き、「顧客と向き合う時間」を最大化させることができるのです。

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経験や勘に頼る経営から「データドリブンな意思決定」へシフトするため

SFAで進捗状況を一元管理する最大のメリットは、経営やマネジメントにおける判断材料が「感覚」から「数値」に変わることです。

「今月の着地はこれくらいだろう」といった根拠の薄い予測ではなく、リアルタイムな分析に基づいた着地予測が可能になります。客観的なデータに基づいてスピード感と納得感のある判断が下せるようになることで、市場の変化に柔軟に対応し、成果を着実に積み上げることができます。

蓄積された顧客データを「売上を最大化させる武器」にするため

SFAに蓄積された顧客情報は、単なる過去の活動記録ではなく、次の売上を生み出すための「資産」です。

例えば、「過去に失注したが、特定の時期にニーズが再燃する傾向にある顧客」を分析・抽出できれば、新規獲得コストを抑えつつ、効率的に商談を創出することができます。

過去の情報をデータとして蓄積し、顧客の検討意欲が高まるタイミングを逃さずアプローチできる体制を築くことで、新たな商談機会の創出につなげることができます。

SFA導入で期待できる効果【役割別に解説】

SFAの導入は、企業全体・営業現場・営業マネージャー・経営層それぞれに大きなメリットをもたらします。本章では、役職ごとにどのような利点があるのか詳しく解説します。

1. 企業全体への効果

まず、SFAの導入は、営業組織全体の生産性向上に寄与し、企業の成長を促進します。

① 営業活動の標準化が可能になる

各営業担当者が独自の手法で営業を行うと、成果にばらつきが生じやすくなります。
SFAを導入することで、成功事例やノウハウを全社的に共有し、組織全体の営業力を底上げすることが可能になります。

② データに基づいた意思決定ができる

従来の経験則や勘に頼った営業手法から脱却し、データに基づく戦略的な意思決定が可能になります。
これにより、企業としての競争力を高め、より持続的な成長を実現できます。

関連記事:データドリブンとは?マーケティング・営業で必要な理由と進め方を解説

2. 営業現場への効果

営業担当者にとって、SFAは日々の業務を効率化し、成果を最大化するための強力なサポートツールとなります。主なメリットは以下の通りです。

① 営業マネージャーとの密な連携が可能になる

SFAに商談情報や進捗を入力することで、営業マネージャーはリアルタイムで状況を把握し、適切なアドバイスを提供できます。
営業担当者とマネージャーが同じ情報を共有することで、指示が明確になり、組織として一体感を持った営業活動が可能になります。

② ノウハウを効果的に活用できる

SFAには過去の成功事例やベテラン営業マンの行動プロセスが蓄積されており、新人営業パーソンがすぐに活用できます。
例えば、中途入社の社員や新卒社員でも、SFAを通じて「成果が出る営業プロセス」を学べるため、短期間で即戦力として活躍できるようになります。

③ 報告時間を短縮できる

従来、日報作成には文章作成の手間がかかっていましたが、SFAではプルダウン選択や簡単な入力操作で報告が可能です。
また、スマートフォンやタブレットからの入力もできるため、外出先や移動中でも記録が可能になり、業務の効率が向上します。
さらに、リアルタイムで管理者に情報が共有されるため、報告のために会社に戻る必要がなくなり、業務時間をより有効に活用できます。

関連記事:スマホ活用で変わるSFAによる営業生産性|モバイル対応SFA10選

3. 営業マネージャーへの効果

営業マネージャーにとって、SFAの導入は管理業務を効率化し、戦略的な意思決定をサポートする重要な役割を果たします。

① イレギュラーを発見しやすい

進捗が止まった案件や異常に高い値引き率の商談など、通常とは異なる状況を早期に検知できます。
問題をいち早く把握し、適切な対策を打つことで、損失を最小限に抑えることができます。

② 営業戦略の立案に役立つ

SFAを導入することで、顧客情報や商談の進捗状況を詳細に把握できるようになります。
営業マネージャーは、SFA上で見込み顧客のデータや営業フェーズを確認し、適切なタイミングで指示やアドバイスを出せます。
また、個人・チーム単位での売上実績や予測データを可視化し、より戦略的な施策を立案できるようになります。

関連記事:営業戦略の立て方とは?5つのステップとフレームワークを解説

③ 数字をすぐに把握できる

会議や報告業務では、正確な数値データが求められます。従来は日報やヒアリングを通じて情報を集める必要がありましたが、SFAを活用すればデータを瞬時に集計・分析可能です。
例えば、従来2時間かかっていた集計作業が、SFAを使うことでわずか4分に短縮されたという事例もあります。

4. 経営層への効果

経営者にとってSFAは、企業全体の営業状況をリアルタイムで把握し、的確な経営判断を下すための強力なツールとなります。

① 経営戦略の立案に活かせる

SFAを活用すれば、顧客動向や市場の変化をリアルタイムで把握でき、スピーディーな意思決定が可能になります。
たとえば、「どの業界の顧客が増えているか」「失注の主な理由は何か」などを即座に分析できるため、より精度の高い戦略を立案できます。

② 教育コストを削減できる

営業のノウハウがSFAに蓄積されることで、新人育成にかかる時間やコストを大幅に削減できます。
従来は先輩社員がOJTで指導する必要がありましたが、SFAを活用すれば、過去の成功事例や営業プロセスを学ぶことで、自発的に成長できる環境を整えられます。

③ マネジメント層の適正な評価ができる

営業現場は売上で評価ができますが、マネージャーは売上に直結しない業務が多いため、適正な評価が難しくなりがちです。
SFAを導入すれば、営業のサポート状況やボトルネックの解消プロセスが可視化され、マネジメント層の貢献度を正しく評価できるようになります。
これにより、マネージャーのモチベーション向上にもつながります。

▶︎▶︎営業マネージャーの役割とは?意識すべき3ステップを紹介します

SFA導入の投資対効果を最大化させるためのポイント

SFAの導入は営業活動の効率化に大きなメリットをもたらしますが、投じたコストに対してそれ以上の利益を得る「ROI(投資対効果)」の視点も不可欠です。期待通りの効果を引き出すために押さえておくべき、3つの重要ポイントを解説します。

1.導入費用の考え方(初期費用・月額・人件費コスト)

SFAの導入には、月額利用料や初期費用などのコストがかかり、システムの運用にも時間的・人的コストが発生します。うまく活用できなければ、単なる負担増になってしまう可能性があります。

ROIを最大化させるためには、「コストを抑えること」以上に「営業活動の質と量が向上し、どれだけ利益を上積みできるか」という視点で、システムがもたらす増益効果をシミュレーションすることが重要です。
対策として、導入前に「本当に必要な機能」を洗い出し、費用対効果を試算することが重要です。無料トライアルや小規模導入を活用し、業務に適合するかを確認しましょう。

関連記事:SFAの費用相場は?主要SFAツールの価格・導入費用を徹底比較!

2.現場の入力負担を最小限に抑えるツール選定

SFAの活用には営業担当者によるデータ入力が必須ですが、手間が増えると定着しづらくなります。特に、導入目的が共有されていないと「面倒なツール」として敬遠されることがあります。現場の入力負荷が高いツールは定着せず、結果として分析に必要なデータの質が低下します。投資効果を高めるためには、以下の選定基準が重要になります。

直感的な操作性

マニュアルを読み込まなくても、直感的に操作できるインターフェースであること。

モバイル対応と入力サポート

移動中にスマホで音声入力や選択式入力ができるなど、スキマ時間を活用できる機能があること。

既存ツールとの連携

カレンダーやメール、名刺管理ツールと自動連携し、二重入力の手間を省けること。

スマートフォン対応や音声入力、選択式の入力機能を活用し、入力作業をできるだけ簡素化しましょう。また、必要なデータ項目を厳選し、無駄な入力を減らすことで負担を軽減できます。導入前に社内説明を行い、入力の重要性を伝えることも大切です。「現場が入力したくなる=データが勝手に集まる」ツールを選ぶことこそが、分析精度を高め、ROIを最大化させるための近道となります。

3.失敗のリスクを回避する「定着化」への3ステップ

SFA導入で最も多い失敗は、システムが現場に浸透せず、データが蓄積されない「形骸化」です。これを防ぎ、効果を確実なものにするための3ステップを推奨します。

導入目的の徹底共有

「管理のためのツール」ではなく「自分の売上を上げるための武器」であることを、現場の言葉で伝えます。

スモールスタートと成功体験

最初から全ての機能を使いこなそうとせず、まずは特定の部署や最小限の項目から運用を開始し、「便利になった」という小さな成功体験を積み上げます。

振り返りサイクルの確立

蓄積されたデータを実際の営業会議や1on1で活用し、データが成果に直結する流れを組織のルーティンに組み込みます。

関連記事:SFA運用のポイントと運用定着の事例|SFAは導入して終わりではない

事例で見るSFAの導入効果

最後に、SFAの導入によって得られる効果を弊社が提供する「Mazrica Sales」の導入事例を通して解説します。

株式会社学研スタディエ

学習塾を運営する学研グループの株式会社学研スタディエでは、新規のお問い合わせ内容を本部から各校に展開していましたが、その方法では営業効率が悪く、入塾までに時間がかかっていたそうです。

また、各校の講師が営業を兼務し、情報管理をExcelで行っていたため、顧客情報の引き継ぎや休眠顧客の掘り起こしも非効率な状態でした。

この課題を解決するため、講師が効率的に営業を兼務できるよう、シンプルで使いやすいMazrica Salesの導入を決めました。塾での活用を考慮した設計により、すぐにExcelを廃止し、Mazrica Salesに移行しました。

結果として、窓口でのご説明にお進みいただくお客様の数が導入前の約1.4倍にまで増え、SFAとして期待通りのパフォーマンスを発揮できました。

関連記事:1年で商談件数が約1.4倍に!兼任での営業活動を支える「直感的なUI・UX」がMazrica Salesの魅力

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エームサービス株式会社

エームサービス株式会社は、全国の企業、工場、病院・福祉施設、スポーツ・エンターテイメント施設などで「食」に関するサービスを提供しています。

同社では、営業メンバー間の知見共有や上長からのフォローアップの基盤が整っておらず、現場から不満の声が上がっていました。

この課題を解決するため、使いやすさを重視してSFAを選定する中で、Mazrica Salesの直感的なUI、音声入力や写真読み取り機能、充実したサポート体制に魅力を感じ、導入を決定しました。

導入後、Mazrica Salesで情報が一元管理されるようになったことで、同じような業種や規模のお客様の事例について全国各地の拠点で持つ知見を共有し合い、“ポイントは何か” “どのような点で悩んでいるのか” といった意見交換もできるようになりました。

その結果、属人的な営業にとどまらず、チーム力を大切にしていきたいという思いが形になりました。

関連記事:抜群のUIと想像以上の便利な機能が、“営業担当に負荷をかけない” 情報の可視化を実現!お客様との関係構築に集中できる環境に

▶︎▶︎他業界の導入事例も知りたい方はこちらから

まとめ|使いやすいSFAを導入して効果を最大化させよう

以上、営業現場、マネージャー、経営者、それぞれの立場から見た、SFA導入の効果および投資対効果(ROI)を高めるためのポイントと、SFA導入の成功事例についてお伝えしてきました。

SFAの導入効果は、「営業活動の見える化」「営業活動の標準化」「営業活動の効率化」という3つに集約されます。これらを実現することで、情報資産を有効活用し、戦略や方針の検討に役立つ情報の収集と分析が可能になります。これにより、最適な営業プロセスへの改善が促進され、組織全体の収益力向上という真の効果がもたらされます。

また、本記事で解説した「役割別の効果」は、SFAについての理解を深めるだけでなく、社内で導入を提案・推進する際にも活用いただけます。

たとえば、社長へ提案するのなら経営者にとってのメリットを伝え、マネージャーの立場で導入を嫌がる営業メンバーを説得しなくてはならないのなら、営業現場へのメリットを伝えてみてください。

それぞれの立場に寄り添った効果を提示することで、周囲の納得感を得ながら、スムーズな導入・定着が進められるはずです。自社の課題に合った使い勝手の良いSFAを選び、組織のポテンシャルを最大限に引き出しましょう。

Mazrica Salesについては、下記ページに強みやできることをまとめておりますので、概要を知りたい方はぜひご覧ください。

▶︎Mazrica Sales製品ページはこちら

▶︎Mazrica Sales主要機能ページはこちら

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